大腸癌の肝転移切除またアブレーションが施行された患者に対する肝動脈補助化学療法

著者の結論: 

残存肝臓内の再発は肝動脈内化学療法群の方が少なかったものの、全生存期間は改善されず、有意ではないがコントロール群の方が好ましい結果さえもあった。現時点でこの介入を追加することは推奨できない。

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背景: 

大腸癌の肝転移は技術的に実施可能な場合は切除され、中等度の治癒の可能性がある。切開後に最もよくみられる再発部位は、残存肝臓内である。このような臨床的な再発パターンに留意し、生存を向上させるために、切除後に肝動脈から直接、肝臓に化学療法が行われている。

目的: 

肝切除後の肝動脈内化学療法が全生存期間に及ぼす効果を評価する。副次的目的は、化学療法に関連した有害事象、肝臓内の腫瘍再発リスク、無腫瘍生存期間であった。

検索方法: 

キーワード「Colorectal」、「cancer」、「hepatic metastases」、「hepatic artery」、「chemotherapy」を用いて、MEDLINE、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Cochrane Hepato-Biliary Group Controlled Trials Registerを検索し、試験著者に問い合わせ、参考文献リストを検索してランダム化試験を探した。2008年12月に検索を行った。

選択基準: 

大腸癌の肝転移切除が施行された患者を肝動脈内化学療法または代替療法のいずれかにランダム化した試験

データ収集と分析: 

生存データはParmar法を用いて、発表済みの研究の生存曲線から主に抽出して取得した。研究に特異的な対数ハザード比、次に統合した効果の対数ハザード比を計算し、統合したカプラン・マイアー生存確率曲線を算出した。

主な結果: 

この課題は、592例の患者を対象に7件のランダム化試験で検討されていた。ITTに基づき全生存期間を測定し、生存率を計算した結果、メタアナリシスで肝動脈内化学療法を支持する有意な利益は認められなかった(対数HR=0.0848、コントロール群に有利、95%信頼区間=-0.1189~0.2885、またはハザード比1.089、コントロール群において8.9%生存率が有利、HRの95%CI=0.887~1.334)。肝動脈内化学療法に関係した有害事象は高頻度であり、治療関連死が5件含まれた。肝臓内の再発はコントロール群の方が頻度が高かったが(97例に対してHAI群では43例)、分母は報告されていなかった。その後追加されたアウトカムは統合解析に組み入れることはできなかった。

訳注: 

監  訳: 柴田 実,2010.2.10

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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