成人および小児の慢性喘息に対する各種用量のフルチカゾン

著者の結論: 

フルチカゾン用量を増量してもFEV1に顕著な用量-反応のエビデンスは認められなかった。主要アウトカムに寄与している研究の数が少なかった。1:2の用量比で、低用量の範囲では朝のピークフロー値について低い用量と高い用量の間で統計学的な有意があり、高い用量で良好な結果がみられた。これらのの臨床的な影響については様々な解釈が可能である。中等度の喘息患者は高用量フルチカゾン(800~1000µg/日)で治療された場合と同様に、中用量(400~500µg/日)で同レベルの喘息コントロールを達成することができる。重度喘息患者を対象にさらに検討することによって、このサブグループに対して200µg/日前後の用量よりも500µg/日を上回るFP用量で利益が大きいことを確認できるだろう。経口ステロイド薬依存性喘息の患者では、2000µg/日のFPでプレドニゾロンの必要量を減少させることができるようである。

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背景: 

吸入プロピオン酸フルチカゾン(FP)は喘息治療に使用される高力価の吸入副腎皮質ステロイド薬である。

目的: 

慢性喘息の治療において様々な公称1日用量による吸入フルチカゾンの有効性および安全性に関するアウトカムを評価する。用量-反応効果があるかどうかを検証する。

検索方法: 

Cochrane Airways Group Trials Register(2008年1月)を検索した。

選択基準: 

慢性喘息の治療において種々の公称1日用量によるフルチカゾンを比較している小児および成人を対象としたランダム化試験。2名のレビューアが独自に論文の選択および方法論的質について論文を評価した。

データ収集と分析: 

1名のレビューアがデータを抽出した。別のレビューアがそのデータを確認し、妥当性を検証した。定量分析を実施する場合はReview Managerを利用した。

主な結果: 

発表および未発表試験51件(55群の比較、参加者10,797名)が選択基準に適合した。経口ステロイド薬を服用していない軽度から中等度の喘息患者を対象に、低用量のFPをFEV1について比較したところ、用量-反応効果はみられなかった(1日用量として50mcg、100mcg、200mcg、4~500mcg)。FP用量4~500mcgと800~1000mcgの間および用量50~100mcgと800~1000mcgの間に統計学的な有意はなかった。1日用量200mcgを800~1000mcgと比較したところ、FEV1が4倍または5倍上昇した。最大呼気流量(PEF)については、FPを低用量と中用量および低用量と高用量で比較したところ、用量-反応効果が認められた。症状およびレスキュー薬としてのβ-2作動薬の使用に対する用量-反応効果に関するエビデンスはなかった。嗄声および口腔カンジダ症の可能性は高用量(800~1000µg/日)で有意に高かった。FP(2000µg/日)で治療された経口ステロイド薬依存性喘息の患者は1000~1500µg/日で治療された患者と比較して、経口プレドニゾロンを減量する傾向が有意に高かった(Petoオッズ比2.8、95%CI 1.3~6.3)。最高用量も、1000~1500µg/日と比較して、1日の経口プレドニゾロン用量の有意な減量を可能にさせた(WMD2.0mg/日、95%CI 0.1~4.0mg/日)。

訳注: 

監  訳: 林 啓一,2009.2.20

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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