脳卒中後のうつ病治療のための介入

著者の結論: 

うつ病を治療し、抑うつ症状を軽減させる薬物療法に(心理療法ではなく)わずかながら有意な効果が認められた。しかし、同時に有害事象も有意に増加した。このような治療法のルーチンでの利用について推奨できるようになるには、さらなる研究が必要である。

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背景: 

うつ病は脳卒中の回復に影響を及ぼす重要な後遺症であるが、しばしば見落とされるか不適切に治療される。これは2004年に始めて発表されたコクラン・レビューの最新版である。

目的: 

脳卒中患者のうつ病を薬物療法、心理療法または電気ショック療法(ECT)で治療することでアウトカムが改善されるかどうかを確認する。

検索方法: 

Trials registers of Cochrane Stroke Group(2007年10月まで検索)およびCochrane Depression Anxiety and Neurosis Group(2008年2月まで検索)を検索した。また、Cochrane Central Register of Controlled Trials(コクラン・ライブラリ2008年第1号)、MEDLINE(1996年~2006年5月)、EMBASE(1980年~2006年5月)、CINAHL(1982年~2006年5月)、PsycINFO(1966年~2006年5月)、その他のデータベースも検索した。さらに、参考文献リスト、臨床試験登録、カンファレンス予稿集および学位論文抄録を検索し、著者、研究者および製薬会社に問い合わせた。

選択基準: 

脳卒中の患者のうつ病治療を目的とし、種々の薬剤との比較としてプラセボまたは標準的ケア(注意制御)のもとでの心理療法かECTを用いたランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが対象となる試験を選択し、試験方法の質を評価した。3名のレビューアがデータを抽出し、クロスチェックし、入力した。主要解析は治療終了時に診断のついていた抑うつ障害の有病率とした。副次的アウトカムには、標準的な評価尺度によるうつ病のスコア、身体機能、死亡、再発性脳卒中、有害作用を含めた。

主な結果: 

試験16件(介入17件)、参加者1655名を本レビューに含めた。13種類の薬剤のデータおよび心理療法に関する試験4件のデータが利用可能であった。ECTを対照とした試験はなかった。標準化された診断基準およびアウトカム基準がなかったことから、また分析方法が異なったために分析は困難であった。うつ病の完全寛解およびうつ病評価尺度でのスコア低下(改善)に関して、薬物療法の利益を示すエビデンスがいくつかみられたが、治療に伴う有害事象が増加するエビデンスもあった。心理療法の利益を示すエビデンスはなかった。

訳注: 

監  訳: 大神 英一,2009.2.20

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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