慢性腎臓病の小児に対する成長ホルモン

著者の結論: 

CKDの小児における1年間の28 IU/m2/週のrhGH投与は、身長成長速度において、未治療患者を上回る3.88 cmの上昇をもたらした。治療の継続が最終的な成人身長の増加をもたらすかどうかを判断するには、研究期間があまりに短い。

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背景: 

発育遅延は小児の慢性腎臓病(CKD)に多く見られる合併症であり、かつ、家族にとっての懸念事項である。遺伝子組み換えヒト成長ホルモン(rhGH)治療は、低身長のCKD小児がその年齢グループにより沿った身長に達するのを助けるために使用されている。しかし、成人身長を有意に改善する上でrhGHの長期的な利益については懸念があり、また、潜在的な有害作用(生来の腎機能の低下、腎移植者における急性拒絶の増加、良性頭蓋内圧亢進)に関する懸念もある。

目的: 

CKDの小児においてrhGH治療の利益と害を評価する。

検索方法: 

ランダム化比較試験(RCT)は、Cochrane Renal Group's Specialised Register、 Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(2011年第12号)、MEDLINE(1966年より)、EMBASE(1980年より)、論文の参考文献一覧から、また、現地ならびに国外の専門家との接触を通じて特定した。 最終検索日付:2011年12月29日

選択基準: 

RCTは、CKDと診断された、透析前、透析中、または移植後の、年齢0歳から18歳の小児を対象に施行され、rhGH治療プラセボ/未治療と比較、または2用量のrhGHを比較しており、かつ、身長アウトカムが含まれている場合に、選択された。

データ収集と分析: 

レビューア2名が独自に、研究バイアスのリスクについて評価し、適格な研究からデータを抽出した。データはランダム効果モデルを用いてプールされ、連続アウトカムの平均差異(MD)を95%信頼区間(CI)と共に算出した。

主な結果: 

研究16件(小児809例を登録)が同定された。バイアスのリスク評価では、研究の質の低さ、または報告が不完全であることが示され、適切な割りつけの隠蔵化(コンシールメント)または研究参加者と治験責任医師の盲検化が報告されているのは、それぞれ4件および5件の研究のみであった。rhGH(28 IU/m2/週)による治療プラセボまたは特異的な治療未施行と比較して、1年後の身長の標準偏スコア(HSDS)に有意な増加をもたらし(研究8件、小児391例:MD 0.82、95%CI 0.56~1.07)、また、身長発育速度において6ヶ月後(研究2件、小児27例:MD 2.85 cm/6ヶ月間、95%CI 2.22~3.48)と1年後に(研究7件、小児287例:MD 3.88 cm/年、95%CI 3.32~4.44)有意な上昇をもたらした。治療2年目において、身長発育速度は低下したものの、依然として未治療の小児よりも有意に高かった(研究1件、小児82例:MD 2.30 cm/年、95%CI 1.39~3.21)。14 IU/m2/週群と比較すると、28 IU/m2/週群では身長発育速度に1.18 cm/年の上昇が認められた(研究3件、小児150例:1.18 cm/年、95%CI 0.52~1.84)。報告されたrhGHの副作用の頻度は、コントロール群の頻度と概して同等であった。

訳注: 

監  訳: 相原 守夫,2012.6.19

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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