片頭痛および緊張型頭痛予防のための選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)

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著者の結論: 

片頭痛患者において、2ヵ月間を超える治療で、SSRIはプラセボ以上には有効でない。慢性TTH患者では、SSRIは三環系抗うつ薬よりも効果が少ない。SSRIと比較して、三環系抗うつ薬投与患者は有害事象負荷が大きかった。以上の結果は短期間の試験に基づいており、長期治療には一般化できない。

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背景: 

頭痛は、よくみられる医学的問題である。疼痛機序におけるセロトニンの役割に関する最近の発見を踏まえ、片頭痛および緊張型頭痛(TTH)の予防について選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が評価されている。

目的: 

片頭痛およびTTHの予防についてSSRIの有効性および忍容性を評価する。

検索方法: 

MEDLINE(1966年~2004年)、EMBASE(1994年~2003年)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(2003年第4号)および検索した論文の参照文献リストを検索した。Headache Quarterlyを1990年から2003年までハンドサーチした。

選択基準: 

男女の18歳以上の片頭痛またはTTH患者においてSSRIとあらゆるタイプのコントロール介入を比較しているランダム化比較試験を含めた。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立にデータを抽出し(頭痛頻度、インデックス、重症度および持続時間;対症療法/鎮痛薬の使用;休業日数;生活の質;気分の改善;費用対効果有害事象)、試験の方法論の質を評価した。

主な結果: 

5種類のSSRIを用いた13件の研究選択基準を満たした(参加者636例)。選択した研究のほとんどは方法論および/または報告が不十分であった。すなわち、追跡期間が3ヵ月を超えることは稀であった。2ヵ月後にSSRIは、プラセボと比較して、片頭痛患者の頭痛インデックス・スコアは有意に低下しなかった(標準化平均差-0.14;95% CI -0.57~0.30)。SSRIで治療した慢性TTH患者では、鎮痛薬を1ヵ月あたり5回服用しており、三環系抗うつ薬治療患者よりも有意に多かった(重み付け平均差4.98;95% CI 1.12~8.84)。三環系抗うつ薬では、慢性TTH患者においてSSRIと比較し、頭痛持続時間が1日あたり1.26時間有意に短縮し(WMD 1.26;95% CI 0.06~2.45)、頭痛インデックスはわずかに低下した(SMD 0.42;95% CI 0.00~0.85)。頭痛と診断されたサブグループを考慮しないで有害事象に関するデータを検討した場合に、有害事象による中止についてSSRIとプラセボとの間に有意はなかった(Peto法 OR 1.02;95% CI 0.31~3.34)。軽度の有害事象について、SSRIは三環系抗うつ薬よりも全般的に忍容性が良好であった(オッズ比0.34;95% CI 0.13~0.92)。しかし、SSRI群と三環系抗うつ薬群との間で何らかの理由により中止した患者数にはなかった(OR 1.01;95% CI 0.56~1.80)。

訳注: 

監  訳: 大平 哲也,2007.10.5

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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