低出生体重児の罹患率および死亡率を低減するためのカンガルーマザーケア

レビューの論点 カンガルーマザーケア(kangaroo mother care :KMC)は低出生体重(low birthweight :LBW)児の罹患率や死亡率を低下させるか?

背景: 低出生体重児(LBW; 2500 g未満)に対する従来の新生児医療は高額で、技術の高い医療関係者と持続的なロジスティックサポートが必要である。KMCはLBW児に対する従来の新生児医療の代替として提案されている。KMCでは母親と新生児の肌と肌の触れ合いを主に行っている。他にも頻回授乳、完全、または完全に近い母乳育児、および早期退院も実施している。

試験の特性 本レビューでは、2016年6月に医療データベースを検索し、21件のランダム化比較試験(新生児3042例)を同定した。

主要な結果 従来の新生児医療と比較してKMCは、退院時や妊娠40~41週目、および最新のフォローアップ時点での死亡率、重篤な感染症/敗血症、院内感染症/敗血症、低体温、重症疾患および下部気道疾患を減少させることがわかった。さらに、KMCにより新生児の体重、身長および頭囲、ならびに退院時、妊娠40〜41週目または1〜3ヶ月目のフォローアップ時点における母乳育児、育児法に対する母親の満足度、母子間の愛着に関する指標のスコアおよび家庭環境が改善した。補正年齢12カ月齢では、神経発達や感覚神経のアウトカムに、差は認められなかった。

エビデンスの質 重要不可欠なアウトカムの科学的根拠(エビデンス)の質は、ほとんどが中程度であった。

結論 LBW児に対するKMCは、特に医療資源に限りのある国々では、従来の新生児医療と比較して有効かつ安全な代替法である。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2019.09.30]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。《CD002771.pub4》

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