女性の腹圧性尿失禁に対する腹腔鏡下膀胱頸部挙上術

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著者の結論: 

腹腔鏡下膀胱頸部挙上術は、術後2年目では、開腹下膀胱頸部挙上術と同等に優れていると思われることを現在入手可能なエビデンスは示唆している。しかし、より新しい膣スリング法のほうが、より大きな利益、すなわち短期でより良好な客観的アウトカムと長期で同等の主観的アウトカムを提供するようである。腹腔鏡下膀胱頸部挙上術を施行するなら、2カ所傍膣壁縫合の使用が最も有効な方法であると思われる。腹腔鏡下膀胱頸部挙上術の実地臨床における位置は、長期成績を記述するデータがより多く入手可能になった時に、より明白になるはずである。

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背景: 

腹腔鏡下膀胱頸部挙上術は、腹圧性尿失禁を有する女性の治療に対する最初の低侵襲手術のひとつであり、大切開を回避し、入院期間が短く、日常活動に迅速に復帰できるという推定的利点を有していた。

目的: 

尿失禁に対する腹腔鏡下膀胱頸部挙上術の効果を検討することを目的とした。

検索方法: 

Cochrane Incontinence Group Trials Registerを検索した(検索日2009年7月2日)。追加の臨床試験を他の情報源から探し、未発表のデータや試験を求めて著者に問い合わせた。

選択基準: 

症候性の腹圧性尿失禁か混合型尿失禁、あるいは、これらの失禁の尿流動態的診断を有する女性を対象とし、少なくとも1群に腹腔鏡下手術を介入として包含したランダム化比較試験(RCT)か準ランダム化比較試験

データ収集と分析: 

レビューアは、試験を、方法の質やレビューへの選択に対する適切さについて評価した。データを2人のレビューアが抽出し、お互いにクロスチェックした。適切な場合、要約統計量を計算した。

主な結果: 

22件の適格な試験を同定した。10件が腹腔鏡下膀胱頸部挙上術と開腹下膀胱頸部挙上術の比較に関わるものであった。患者が治癒したと感じる主観的印象は、短期フォローアップと中期フォローアップにおいて、両手技で同等であるようであったが、客観的アウトカムに関しては腹腔鏡下膀胱頸部挙上術のほうが成績不良であるというエビデンスがあった。開腹下膀胱頸部挙上術と比較して、腹腔鏡下膀胱頸部挙上術のほうが、術後合併症が少なく、術後疼痛が軽度で、入院期間が短い傾向が示されたが、腹腔鏡下膀胱頸部挙上術は費用がより高かった。8件の研究は腹腔鏡下挙上術と新しい「自己固定」膣スリング法を比較した。2つの手技の報告された短期および長期の主観的治癒率に有意はなかったが、18カ月後の客観的治癒率はスリング法のほうが高かった。術後排尿機能障害や周術期合併症に有意は観察されなかった。腹腔鏡下膀胱頸部挙上術では手術時間と入院期間が有意により長かった。1件の臨床試験において、2カ所傍膣壁縫合にランダム化された女性の間で、1カ所縫合と比較して、主観的および客観的な1年治癒率が有意に高いことが認められた;3件の研究が、腹腔鏡下膀胱頸部挙上術に対する縫合とメッシュ・ステープルを比較し、縫合使用のほうが好ましい傾向を示した。

訳注: 

監  訳: 林 啓一,2010.11.18

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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