新生児におけるオピエートの断薬のための鎮静薬

著者の結論: 

オピエートの断薬に起因するNASの乳児は、オピエートを用いた初期治療を受けるべきである。鎮静薬を用いる場合、フェノバルビトンをジアゼパムよりも優先して用いるべきである。オピエートを用いて治療される乳児において、フェノバルビトンやクロニジンの追加は断薬重症度を軽減することがある。オピエートの断薬に起因するNASのある乳児における鎮静薬の役割、およびNASに対してオピエートを用いて治療される乳児におけるフェノバルビトンやクロニジンを追加することの安全性と有効性を明らかにするための更なる研究が必要である。

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背景: 

オピエートの断薬に起因する新生児離脱性症候群(NAS)は母子関係の崩壊、睡眠-覚醒異常、哺乳困難、体重減少、てんかん発作を生じることがある。症状を改善し罹病率を減じるために用いられる治療にはオピエート、鎮静薬、非薬理学的治療がある。

目的: 

オピエートの断薬に起因するNASに対する鎮静薬使用の有効性と安全性を非オピエート・コントロールと比較・評価し、どのタイプの鎮静薬が最も有効かつ安全かを明らかにする。

検索方法: 

今回の更新では、Cochrane Central Register of Controlled Trials(2010年第1号)、MEDLINE(1966年から2010年4月まで)、学会議事録抄録を検索した。

選択基準: 

オピエート依存の母親から生まれたNASの乳児を登録し、フォローアップ率>80%、鎮静薬またはコントロールへのランダム割り付けまたは準ランダム割り付けを用いている試験。コントロールには別の鎮静薬か非薬理学的治療を行っているものを選択した。

データ収集と分析: 

各々のレビューアが独自に、研究の質を評価し、データを抽出した。

主な結果: 

385例の患者を登録した7件の研究を選択した。多くの研究にはかなりの方法論的懸念があった。例えば、準ランダム割り付けの方法や、各群に割り付けられた人数の報告数にかなり大きい、ほとんど説明できないがあったことである。1件の研究は、フェノバルビトンは支持ケアのみと比較して、治療失敗を減じず、出生体重に戻る期間を短縮しないが、支持ケアの期間を有意に短縮することを報告した(MD -162.1分/日、95%CI -249.2~-75.1)。フェノバルビトンとジアゼパムの比較では、2件の研究のメタアナリシスが、フェノバルビトンは治療失敗を有意に減じることを見いだした(typical RR 0.39、95%CI 0.24~0.62)。フェノバルビトンとクロロプロマジンの比較では、1件の研究治療失敗に有意はないと報告した。オピエートを用いて治療された乳児では、クロニジン追加は治療失敗やてんかん発作や死亡率に有意を生じないことを1件の研究が報告した。オピエートを用いて治療された乳児において、フェノバルビトン追加は、乳児が高い離脱の重症度スコアを有する時間の割合、入院期間、オピエートの1日の最大投与量を有意に減じることを1件の研究が報告した。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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