脳卒中または一過性脳虚血発作の既往歴のない非弁膜症性心房細動の患者における脳卒中予防のための経口抗凝固薬

著者の結論: 

用量を調整したワルファリン治療は、非弁膜症性AFの患者のINRを2~3に到達させることにより、脳卒中、動作障害を伴うまたは致死性の脳卒中、および死亡を減少させる。ランダム化臨床試験では、これらの利益は、参加者に観察された出血の増加によって相殺されないほど大きいものであった。しかし、これらの結果には、追跡期間が比較的短く、試験登録された参加者の選抜により出血リスクの推定値不正確となったという限界がある。AF患者の脳卒中一次予防治療として使用すれば、OACsを投与した心房細動患者1,000名ごとに年間約25回の脳卒中が予防でき、動作障害を伴うまたは致死性の脳卒中は12回予防できる可能性がある。

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背景: 

非弁膜症性心房細動(AF)は、うっ血により左心耳に沈降性血栓が形成され、これによる塞栓症のために脳卒中のリスクが高い。

目的: 

慢性AF患者に対する脳卒中一次予防治療薬としての経口抗凝固薬(OACs)の有効性および安全性について、その特性を明らかにする。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(2004年6月最終検索)を検索した。このほかに、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ、2004年第4号)、MEDLINE(1966~2004年6月)、および最近の総説の参照文献リストも検索した。未発表および進行中の試験を同定するため、Atrial Fibrillation Collaborationとこの分野の専門家にも問い合わせた。

選択基準: 

一過性脳虚血発作(TIA)または脳卒中の既往歴のない慢性非弁膜症性心房細動の患者を対象にOACsとコントロールを比較したあらゆるランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立して組み入れる試験を選択し、各アウトカムを抽出し、データをダブルチェックした。オッズ比の統合には、Peto法を用いた。可能な限り分析はすべてITT解析で行った。発表済みの4件の試験の結果には脳卒中またはTIAの既往歴のある参加者が3~8%含まれていたため、これらの参加者を除いた未発表の結果をAtrial Fibrillation Investigatorsから入手した。

主な結果: 

脳虚血の既往歴のない参加者2,313名を対象とした5件のランダム化試験では、平均年齢が69歳であった。参加者の特徴および試験の質は試験間にがなく、5件の試験はいずれもOACとしてワルファリンを使用していた。参加者の約半数(n=1,154)が用量を調整したワルファリンにランダム割りつけされており、その結果INRの平均値は2.0~2.6であった。平均1.5年の追跡期間には、ワルファリンは、あらゆる脳卒中(オッズ比(OR)0.39、95%信頼区間(CI)0.26~0.59)、虚血性脳卒中(OR 0.34、95%CI 0.23~0.52)、動作障害を伴うまたは致死性のあらゆる脳卒中(OR 0.47、95%CI 0.28~0.80)、死亡(OR 0.69、95%CI 0.50~0.94)、およびあらゆる脳卒中、心筋梗塞または血管イベント由来の死亡を組み合わせたエンドポイント(OR 0.56、95%CI 0.42~0.76)を大きく減少させ、統計的有意性も高かった。OAC療法により観察された頭蓋内および頭蓋外出血の発生率は有意に増加してはいなかったが、信頼区間が広かった。

訳注: 

監  訳: 2006.6.23

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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