脳卒中または一過性脳虚血発作の既往歴のない非弁膜症性心房細動の患者における脳卒中予防のための抗血小板療法

著者の結論: 

アスピリンは非弁膜症性AFの患者の脳卒中および重大な血管事象を減少させるようであり、その効果は他の高リスク患者と同程度である(すなわち、約25%減少)。年間平均4%の脳卒中発生率を示すAF患者に一次予防治療として使用すれば、アスピリンを投与したAF患者1000名ごとに年間約10回の脳卒中が予防できる可能性がある。

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背景: 

非弁膜症性心房細動(AF)は脳卒中を起こすリスクが高い。抗血小板療法(APT)は、血管事象を起こすリスクの高い患者の大半に対し、脳卒中を予防する効果があることが証明されているが、AF患者の脳卒中のほとんどは心塞栓が関与している疑いがあるため、非弁膜症性AF患者の脳卒中一次予防治療としてのAPTは別に分けて検討する価値がある。

目的: 

慢性非弁膜症性AF患者に対する脳卒中一次予防治療としての長期APTの有効性および安全性を評価する。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(2004年8月検索)を検索した。このほかに、Cochrane Central Register of Controlled Trials(コクラン・ライブラリ、2005年第1号)、MEDLINE(1966~2004年6月)、および最近の総説の参照文献リストも検索した。未発表の試験および進行中の試験を同定するため、この分野の専門家にも問い合わせた。

選択基準: 

一過性脳虚血発作(TIA)または脳卒中の既往歴のない非弁膜症性AF患者を対象に、長期APTとプラセボまたはコントロールを比較したランダム化試験感度分析には、アスピリンと超低用量ワルファリンの併用による一次予防を検討した、その後追加されたランダム化試験1件も組み入れた。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立して組み入れる試験を選択し、各アウトカムについてデータを抽出した。試験責任医師から未発表データを入手した。

主な結果: 

3件の試験が、脳卒中またはTIAの既往歴のないAF患者総計1,965名を対象に、1日75~325 mgおよび隔日125 mgのアスピリンとプラセボ試験2件)またはコントロール(1件)とを比較検討していた。平均追跡期間は、参加者1名あたり1.3年であった。アスピリンは、有意ではないが、あらゆる脳卒中(オッズ比(OR)0.70、95%信頼区間(CI)0.47~1.07)、虚血性脳卒中(OR 0.70、95%CI 0.46~1.07)、動作障害を伴うまたは致死性のあらゆる脳卒中(OR 0.86、95%CI 0.50~1.49)および総死亡(OR 0.75、95%CI 0.54~1.04)のリスクを低下させた。脳卒中、心筋梗塞または血管性死亡を組み合わせたアウトカム(OR 0.71、95%CI 0.51~0.97)に対しては、リスクを有意に低下させた。頭蓋内出血および重大な頭蓋外出血の増加は観察されなかった。

訳注: 

監  訳: 2006.6.23

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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