低蛋白質食は、腎臓病の人の腎機能障害進行を遅らせる可能性がある(糖尿病性腎疾患を除く)。

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腎臓病(腎症)は、腎不全(末期腎疾患)につながるおそれがある。腎疾患の進行を遅らせるため、蛋白質含有量が少ない食事が推奨される場合がある。尿素はあらゆる蛋白質が分解された後の副産物であるため、尿素の産生を測定することによって、蛋白質制限食を継続しているかどうかモニタリングが可能である。尿素の産生が低下すると、毒素の蓄積は減少する。腎臓病(糖尿病性腎疾患を除く)の人を対象とした研究のレビューから、低蛋白質食は末期腎疾患への進行を遅らせることが示された。

著者の結論: 

慢性腎疾患患者における低蛋白質食の摂取は、高蛋白質食または蛋白質無制限食を摂取したときと比較して、腎機能喪失の発生件数を32%低減する。上記試験からは、蛋白質の至適摂取量を確認することは不可能である。

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背景: 

50年以上にわたり、腎機能障害患者には低蛋白質食が提唱されてきた。しかし、重度腎機能障害の予防および維持透析の必要性に、このような食事がもたらす効果は解明されていない。

目的: 

維持透析開始の必要性を引き延ばす低蛋白質食の有効性を評価する。

検索方法: 

Cochrane Renal Groupの試験登録システム、Cochrane Central Register of Controlled Studies、MEDLINEおよびEMBASEのほか、学会抄録(1990年以降の米国腎臓学会抄録、1985年以降の欧州透析移植学会抄録、1987年以降の国際腎臓学会抄録)を検索した。研究者に直接連絡を取った。

選択基準: 

中等度~重度腎機能障害を有する成人患者を対象として、1年以上の追跡期間を設け2つの異なる含有量の蛋白質摂取を比較したランダム化試験

データ収集と分析: 

レビュー著者2名が、それぞれ研究を選択しデータを抽出した。ランダム効果モデルを用いて統計解析を行い、二分法によるアウトカム結果をリスク比(RR)として、95%信頼区間(CI)とともに示した。試験期間中に生じた透析開始の必要性、患者の死亡および腎移植を「腎機能の喪失」 と定義し、その発生件数を収集した。

主な結果: 

40件を超える試験から10件の試験を同定した。患者計2000名を解析した。このうち1002名は蛋白質摂取量が少なく、998名は蛋白質摂取量が多かった。腎機能喪失件数は合計281件であり、低蛋白質食では113名、高蛋白質食では168名であった(RR:0.68、95% CI:0.55~0.84、P = 0.0002)。この結果は、腎機能喪失1件を予防するには、年間2~56名の患者が低蛋白質食を摂取する必要があることと同等である。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.1.27]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 
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