成人の尿失禁に対するアドレナリン作動薬

著者の結論: 

アドレナリン作動薬の使用がプラセボ治療よりも優れていることを示唆する弱いエビデンスがあった。他の治療と比較した場合あるいは他の治療と併用した場合と比べると、アドレナリン作動薬の効果を評価する十分なエビデンスはなかった。どのような場合にアドレナリン作動薬が有用であるかを見分けるためにさらに大規模な試験が必要である。アドレナリン作動薬を使う患者は軽微な副作用をおこすことがあり、そのため時には治療を中止する原因となる。心不整脈や高血圧のようなまれではあるが重篤な副作用が報告されている。

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背景: 

アドレナリン作動薬は尿失禁の治療に使われてきた。しかしながらそれらは一般に無効と考えられているか副作用があり、臨床での使用が制限されている。

目的: 

成人の尿失禁治療におけるアドレナリン作動薬の有効性を判定する。

検索方法: 

Cochrane Incontinence Group specialised trials register(2005年3月9日に検索)および関連性のある記事の文献リストを検索した。

選択基準: 

尿失禁のある成人において少なくとも試験の1群にアドレナリン作動薬を使用したランダム化または準ランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に、適格性、試験の質および抽出したデータを評価した。データ処理はCochrane Reviewers' Handbookに書かれている通りに行った。

主な結果: 

22件の適格なランダム化試験が同定され、そのうち11件はクロスオーバー試験であった。試験は1,099名の女性を組み入れ、673名がアドレナリン作動薬を投与された(11件の試験でフェニルプロパノールアミン、2件の試験でミドドリン、3件の試験でノルエピネフリン、3件の試験でクレンブテロール、1件の試験でテルブタリン、1件の試験でエスコルナード、1件の試験でRo-115-1240)。男性を組み入れた試験はなかった。限定的なエビデンスは、アドレナリン作動薬はパッド交換回数と失禁エピソードの減少にも自覚症状の改善にもプラセボよりも優れていることを示唆した。2件の小規模な試験で、アドレナリン作動薬は骨盤底筋訓練よりも優れていると見受けられたが、これはおそらくこの治療法が女性に比較的受け入れられやすいことを反映しているが試験群からの脱落に異があるためではないかと考えられた。高用量のアドレナリン作動薬の使用を低用量の使用と比べて評価する十分なエビデンスはなく、単独で使用した時も併用した時もエストロゲンと比べて相対的メリットを評価する十分なエビデンスもなかった。1/4以上の女性が有害作用を報告した。アドレナリン作動薬でもプラセボまたは別の薬でも同数の有害作用があった。しかしながら、これらが既知のアドレナリン作動性刺激のためである場合(不眠、不穏状態、血管運動性刺激)、非常に重度で治療を中止したのは全女性の4%のみであった。

訳注: 

監  訳: 2006.6.23

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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