血管疾患患者における脳卒中およびその他の血管イベントを予防するためのジピリダモール

著者の結論: 

動脈血管疾患を呈する患者に対して、ジピリダモールはその他の抗血小板薬の存在下または非存在下で血管死リスクを低下させたとするエビデンスはなかったが、ジピリダモールはさらなる血管イベントのリスクを低下させる。この利益は脳虚血後の患者においてのみ認められた。ジピリダモール単独がアスピリンよりも有効であることを示すエビデンスはなかった。

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背景: 

動脈に由来する限局性脳虚血の患者には、重篤な血管イベントのリスクがある(年間4%~11%)。アスピリンは、このリスクを13%低下させる。1件の試験において、アスピリンにジピリダモールを追加することによって、アスピリン単独に比して22%リスクが低下した。しかし、Antithrombotic Trialists' Collaborationによる抗血小板薬に関する全試験のシステマティック・レビューから、高リスク患者ではアスピリンとジピリダモール併用とアスピリン単独との間に事実上、がないことが示された。

目的: 

血管疾患患者における血管イベントの二次予防において、コントロールと比較した際のジピリダモールの有効性および安全性を評価する。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group trials register(2006年6月に検索)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ、2006年第2号)、MEDLINE(1966年~2006年5月)およびEMBASE(1980年~2006年5月)を検索した。発表済みおよび未発表の研究に関するさらなるデータを捜して、著者および製薬会社に問い合わせた。

選択基準: 

治療の割付けが隠蔽化されており、動脈血管疾患発症後6ヵ月以内に開始し、1ヵ月を超える治療ランダム化長期二次予防試験を選択した。ジピリダモール以外の抗血小板薬を併用または併用していないジピリダモール治療と、非薬剤またはジピリダモール以外の抗血小板薬による治療を比較した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立に試験を選択し、試験の質を評価し、データを抽出した。データは、ITTの原則に従って解析した。

主な結果: 

参加者23019例を対象とした29件の試験が含まれ、そのうち追跡期間中に1503件の血管死ならびに3438件の致死的および非致死的血管イベントが起こった。コントロールに比して、ジピリダモールには血管死に対する明確な効果はなかった(相対リスク(RR)0.99、95%信頼区間(CI)0.87~1.12)。この結果は、ジピリダモール用量や発現した血管疾患の種類によって影響されなかった。コントロールに比して、ジピリダモールは血管イベントのリスクを低下させると考えられた(RR 0.88、95% CI 0.81~0.95)。この効果は、脳虚血を呈する患者においてのみ統計学的に有意であった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2007.10.5

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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