異なる種類の体圧分散寝具の使い分けで褥瘡は防げるのか?

褥瘡(床ずれとも呼ばれる)とは、寝たきりの人の体重がかかる骨の部分(腰、かかと、ひじなど)が圧迫されたり、こすれたりすることで皮膚にできる潰瘍のことである。さまざまな体圧分散寝具(ベッド、マットレス、マットレスの上に敷いて使用するオーバーレイ、クッションなど)は、圧を和らげることを目的としており、体の弱い部分を緩和し、表面の圧をより均等に分散させるために使用される。このレビューでは、通常のフォームマットレスに寝ている人は、高仕様のフォームマットレスに寝ている人よりも褥瘡になりやすいことがわかった。さらに、マットレスにシープスキンオーバーレイ(羊の皮で作成されたオーバーレイ)を使用している人は、褥瘡の発生が少ないという結果も出ている。圧切替型マットレスは、圧切替型オーバーレイよりも費用対効果が高いかもしれないが、褥瘡予防のためのより高仕様の低圧保持型および圧切替型の体圧分散寝具のメリットに関するエビデンスは不明である。さまざまな体圧分散寝具を比較する厳密な研究が必要である。

訳注: 

《実施組織》堺琴美、冨成麻帆 翻訳[2021.10.21]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD001735.pub5》

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