足部潰瘍と切断の減少に有用な足部ケアについて糖尿病の人に行う教育

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足部潰瘍(開放性びらん)は、糖尿病の人、特に神経(末梢神経障害)や、下肢への血流[末梢血管疾患(PVD)]、もしくはその両方に異常がある人によくみられる。 糖尿病による潰瘍のある人では、時々切断(四肢の一部の外科的切除)が必要になる。 足部潰瘍は、身体障害や生活の質の喪失をもたらすだけでなく、経済的負担(医療費、職業上の能力障害)ももたらす。 そのため、足部潰瘍が起こるのを予防することが重要である。 高品質の研究のこのレビューでは、足のケアをする必要性について糖尿病の人を教育することにより、足のケアの知識とケア行動が短期間改善するようだという所見が得られた。 他の予防方法を加えず教育だけで潰瘍と切断が有効に減少するというエビデンスは不十分である。

著者の結論: 

数件の試験において、足部ケアの知識および自己報告の患者行動が短期間の教育により改善されたと考えられた。 しかし、主要エンドポイントに対する患者教育の効果を報告している2件の十分な検出力の研究のみに基づくと、 限定的な患者教育のみで潰瘍および切断罹患率の臨床的に重要な低下を有効に得られるという頑健なエビデンスは不十分であると結論した。

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背景: 

足部潰瘍はそのために四肢の喪失および死亡に至ることもある糖尿病の人での主要な健康問題の一つである。

目的: 

糖尿病患者での足部潰瘍予防に対する患者教育の効果を評価すること。

検索方法: 

Cochrane Wounds Group Specialised Register(2012年8月1日検索)、 Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2012年第7号)、 Ovid MEDLINE(2009~2012年7月第3週)、Ovid MEDLINE(In-Process & Other Non-Indexed Citations、2012年7月31日)、 Ovid EMBASE(2009~2012年第30週)、EBSCO CINAHL(2009~2012年7月26日)を検索し、適格な研究を同定した。

選択基準: 

糖尿病の人での足部潰瘍予防に対する患者教育を評価している前向きのランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々にデータ抽出およびバイアスのリスク評価を実施した。主要エンドポイントは、足部潰瘍、または潰瘍再発および切断であった。

主な結果: 

選択した12件のRCTのうち、主要エンドポイントへの患者教育の効果を報告していたのは5件のみであった。 アウトカムデータの統合は、主として臨床的な著明な異質性により不可能であった。 RCTの1件では、1時間のグループ教育後、足部潰瘍が高リスクの糖尿病患者の1年間の フォローアップ中の足部潰瘍[リスク比(RR) 0.31、95%信頼区間(CI)0.14~0.66]および切断(RR 0.33、95%CI 0.15~0.76)罹患率が低下した。 しかし、バイアスのリスクが低い1件の類似研究では本所見は確認されなかった(切断RR 0.98、95%CI 0.41~2.34;潰瘍RR 1.00、95%CI 0.70~1.44)。 他の3件の研究でも主要エンドポイントに対する教育の効果は示されなかったが、検出力が低い可能性が高かった。 患者の足部ケアの知識はこのアウトカムを評価した8件のRCT中5件で短期間改善し、同様に患者報告による自己治療行動が9件のRCT中7件で短期間改善した。 胼胝、爪の問題、および真菌感染は5件のRCT中1件のみで改善した。選択したRCT中1件のみがバイアスのリスクが低かった。

訳注: 

監  訳: 相原 守夫,2013.2.19

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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