成人の大腿骨近位部関節包内骨折における内固定用インプラント

著者の結論: 

ランダム化試験で得られたエビデンスからは、関節包内骨折の内固定で使用するインプラントの選択に関する明確な結論を導くことはできない。

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背景: 

大腿骨近位部関節包内骨折の内固定には、スクリュー、ピン、サイドプレートなど多くのインプラントが使用されている。

目的: 

大腿骨近位部関節包内骨折の内固定にはどのインプラントが優れているかについてランダム化試験で明らかにすること。

検索方法: 

Cochrane Bone, Joint and Muscle Trauma Group Specialised Register(2010年9月13日)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(コクラン・ライブラリ 2010年、Issue 3)、MEDLINE(1950年~2010年8月第5週)、EMBASE(1980年~2010年第36週)、およびその他の情報源を検索した。

選択基準: 

成人の大腿骨頸部関節包内骨折の内固定に対して異なるインプラントを比較したランダム化および準ランダム化試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが個別に試験の質の評価、および割りつけの順番作成および隠蔵化に関するバイアスのリスクに関する11項目の尺度を用いた評価を実施し、データを抽出した。その後追加された情報は試験実施者より入手した。インプラントを種類別に組み分けし、比較試験群をサブグループ化し、適切な場合に固定効果モデルを用いて、または重要な異質性がある場合は、ランダム効果モデルを用いてデータを統合した。

主な結果: 

本レビューでは、参加者6,334例(骨折6,339例)に関する30例の研究を選択し、2011年に発表した。試験方法の質にかなりばらつきがあり、概して、試験方法および試験結果の報告が不十分であった。割りつけの隠蔵化が確認されたのは1件の試験のみであった。報告されていた主なアウトカムの指標は、骨折治癒過程での合併症、再手術、および死亡率であった。特に、機能的アウトカムに関する報告の質は悪かった。同じ比較が行われている試験はほとんどなかった。25件の個々の比較に関する結果の大部分は、1試験内のみで頻繁に実施された比較によるものがほとんどで、試験の対象である2つのインプラントに統計学的な有意は認められなかった。まれにみられた良好な結果に関する知見は、試験実施施設内で開発されたインプラントであることが多かった。スライド型股関節スクリューは、他の5種類の海綿骨スクリューと比較して、無血管性壊死の発生が少ないという結果が一貫して認められたが、再手術についての有意は認められなかった。さらに、スライド型股関節スクリューは、複数のスクリューまたはピンと比較して、挿入に時間を要し、術中の失血量が多いことが判明した。

訳注: 

監  訳: 内藤 徹,2011.10.4

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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