正常妊娠における胎児血管の超音波ドプラ法

定期的な妊婦ケアの主な目的の一つは、子宮内での発育が十分でない赤ちゃんを見極めることである。このような赤ちゃんを特定できれば、医学的介入によってアウトカムが改善される可能性がある。超音波ドプラ法は、超音波反射波を利用して血管内の血液動態を検査するものである。妊娠中には、赤ちゃんや子宮、胎盤の血行状態を調べるために用いられる。赤ちゃんの状態に懸念があるハイリスク妊娠において、その効果を発揮する。しかしながら、すべての妊娠に対してスクリーニング検査として用いる場合は、不必要な介入や有害作用が生じる可能性があるため、その価値を評価する必要がある。このレビューでは、妊娠中に赤ちゃんの血管に対するルーチンに行った超音波ドプラ法について、5件の試験を特定した。対象は、14000組を超える母親と赤ちゃんである。研究の質は高くなく、いずれも1990年代に実施されたものである。赤ちゃんと母親のいずれに対しても改善は見られなかった。しかしながら、アウトカムを改善するかどうかを証明するにはより多くのデータが必要である。

訳注: 

《実施組織》杉山伸子 内藤未帆 翻訳[2020.09.18]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD001450.pub4》

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