喘息の維持治療のための長時間作用型β2刺激薬とテオフィリンとの比較

著者の結論: 

長時間作用型β2刺激薬、特にサルメテロールは、朝と夕のPEFを改善させる上でテオフィリよりも有効であるが、FEV1に対する効果に有意差はない。サルメテロールについては、昼間および夜間の短時間作用型β2刺激薬の必要性を減少させるとするエビデンスがある。長時間作用型β2刺激薬(サルメテロールおよびホルモテロール)を使用した参加者におこった有害事象は、テオフィリンと比較して少なかった。

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背景: 

テオフィリンおよび長時間作用型β2刺激薬は、持続性喘息症状、特に夜間性喘息の管理に使用される気管支拡張薬である。両薬剤は異なるクラスの医薬品であり、異なる副作用プロフィールを持つ。

目的: 

成人および青年期の喘息患者の維持治療における長時間作用型β2刺激薬およびテオフィリンの相対的な有効性、安全性および副作用を評価する。

検索方法: 

Cochrane Airways Group trials registerおよび論文の参照文献リストを検索した。また、その他の発表済みおよび未発表の関連研究について同定したランダム化比較試験の著者に問い合わせ、医薬品製造業者にも問い合わせた。最新の検索日:2006年11月。

選択基準: 

含まれたすべての研究は、喘息の臨床的所見のある成人および小児を対象としたRCTであった。これらの研究では、徐放性経口テオフィリンおよび/または用量調整テオフィリンと長時間作用型吸入β2刺激薬の比較を必要条件とした。

データ収集と分析: 

最初のレビューでは、2名のレビューアが独自に試験の質を評価し、データを抽出した。同様に、今回の更新でも2名のレビューアがこのことを実施した。その後追加された情報については、研究著者に問い合わせた。

主な結果: 

計1344例の参加者を対象とした13件の研究が、本レビューの選択基準を満たした。これらの研究の質は様々であった。予測FEV1について、サルメテロールとテオフィリンとの間に有意差はなかった(6.5%;95% CI -0.84~13.83)。しかし、サルメテロール投与では、朝の最大呼気流量(PEF)(平均差16.71L/min、95% CI 8.91~24.51)および夕のPEF(平均差15.58L/min、95% CI 8.33~22.83)が有意に良好であった。また、サルメテロールは救済投与の使用を減少させた。ホルモテロールは2件の研究で使用されており、テオフィリンと同程度に有効であることが報告されていた。ビトルテロールは、1件の研究でのみで使用されており、テオフィリンほど有効でないことが報告されていた。サルメテロールを用いた参加者が経験した有害事象は、テオフィリンを用いた参加者よりも少なかった(並行群間研究:相対リスク0.44;95% CI 0.30~0.63、リスク差-0.11;95% CI -0.16~-0.07、治療必要数(NNT)9;95% CI 6~14)。中枢神経系の有害事象(相対リスク0.50;95% CI 0.29~0.86、リスク差-0.07;95% CI -0.12~-0.02、NNT 14;95% CI 8~50)および胃腸の有害事象(相対リスク0.30;95% CI 0.17~0.55、リスク差-0.11;95% CI -0.16~-0.06、NNT 9;95% CI 6~16)の有意な減少が報告された。

訳注: 

監  訳: 曽根 正好,2007.10.5

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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