慢性潰瘍性大腸炎に対する回腸嚢肛門吻合術後の回腸嚢炎の治療と予防

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著者の結論: 

急性回腸嚢炎に対して、シプロフロキサシンはメトロニダゾールよりも有効であったのに対して、ブデソニド注腸とメトロニダゾールは同等に有効であった。慢性回腸嚢炎に対して、VSL#3はプラセボよりも有効であった。回腸嚢炎の予防に対して、VSL#3はプラセボよりも有効であった。回腸嚢炎の治療と予防に最適な薬剤を確定するにはより大規模なRCTが必要である。

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背景: 

慢性潰瘍性大腸炎に対する回腸嚢肛門吻合術後、回腸嚢炎が約30%の患者に起こる。

目的: 

主要目的は、ランダム化比較試験(RCT)のデータによって実証される回腸嚢炎に対する内科的治療(抗菌薬、プロバイオティック、その他の薬剤)の有効性を明らかにすることである。

検索方法: 

1966年から2009年10月までのRCTの検索を、MEDLINE、コクラン・ライブラリ、EMBASE、Web of Science、Scopusデータベースを用いて行った。

選択基準: 

潰瘍性大腸炎に対する回腸嚢肛門吻合術を受け、その後回腸嚢炎を生じた、または回腸嚢炎のリスクがある成人患者を対象とした治療・予防ランダム化比較試験を選択した。

データ収集と分析: 

抽出されたデータを2×2表に変換し、Mac OS 10.6用のRevMan-5を用いて、Petoオッズ比(OR)と[95%信頼区間(CI)]、または重み付け平均差を計算することにより統計的に要約した。

主な結果: 

11件のRCTが選択基準を満たし、本レビューに選択された。10種類の薬剤の有効性を評価した。急性回腸嚢炎の治療に対して(4件のRCT、5剤)、シプロフロキサシンはメトロニダゾールよりも寛解誘導に有効であった。急性回腸嚢炎の寛解誘導に対して、リファキシミンもラクトバシラスGGもプラセボより有効でなかったが、その一方、ブデソニド注腸とメトロニダゾールは同等に有効であった。慢性回腸嚢炎の治療と寛解維持に対しての報告(4件のRCT、4剤)では、抗菌薬で寛解に達した慢性回腸嚢炎の患者における慢性回腸嚢炎の寛解維持に、グルタミン坐剤はブチレート坐剤よりも有効でなく、カルボマー・ビスマス発泡注腸はプラセボよりも有効でなかった一方、VSL#3はプラセボよりも有効であった。嚢炎の予防に対して(3件のRCT、2剤)、1件の研究でVSL#3はプラセボよりも有効であったのに対して、別の1件の研究においてVSL#3は無治療よりも有効ではなかった。アロプリノールはプラセボよりも有効でなかったのに対して、イヌリンはプラセボよりも有効であったが、これらの結果は臨床的に有意でなかった。

訳注: 

監  訳: 吉田 雅博,2011.3.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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