非特異的腰痛治療のための運動療法

著者の結論: 

慢性腰痛の成人、特に医療機関受診者集団において、運動療法は疼痛の低下と機能の改善にわずかに有効であると考えられる。亜急性腰痛において、段階的な運動のプログラムが長期欠勤アウトカムを改善するというある程度のエビデンスはあるが、その他のタイプの運動に対するエビデンスは不明である。急性腰痛における運動療法の効果は無治療や他の保存的治療の効果と同等である。

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背景: 

運動療法は腰痛の介入として広く使われている。

目的: 

成人の非特異的な急性、亜急性または慢性疼痛における運動療法の有効性を無治療またはその他の保存療法と比較して評価する。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Trials(Issue 3、2004)、2004年10月までのMEDLINE、EMBASE、PsychInfo、CINAHLデータベース、および過去のシステマティック・レビューの引用文献検索と参考文献のレビュー。

選択基準: 

成人の非特異的腰痛の運動療法を評価し、疼痛、機能、職場復帰/長期欠勤および/または全般的な改善アウトカムを判定するランダム化比較試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に、研究を選択し、研究の特性、質および短期・中期・長期経過観察におけるアウトカムに関するデータを抽出した。

主な結果: 

61件のランダム化比較試験(参加者6390例)が選択基準を満たし、その内訳は急性腰痛(11件)、亜急性腰痛(6件)、慢性腰痛(43件)および不明(1件)であった。すべての経過観察期間での比較で、慢性腰痛集団における有効性のエビデンスが確認され、最も早期の経過観察で、統合した平均改善度は疼痛7.3ポイント(95%CI、3.7~10.9)(100のうち)、機能2.5ポイント(1.0~3.9)(100のうち)であった。患者(すなわち医療機関受診者)を調査した研究における平均的改善度は疼痛13.3ポイント(5.5~21.1)、機能6.9(2.2~11.7)で、一般集団から募集した参加者(広告などによる)を組み入れた研究よりも有意に大きな改善がみられた。職場における亜急性の腰痛の段階的運動プログラムにある程度の有効性のエビデンスがあるが、ただしその他の集団における他のタイプの運動療法に対するエビデンスは一貫していない。急性腰痛集団における比較に関して同等の有効性のエビデンスがあった[疼痛: 0.03ポイント(95% CI、-1.3~1.4)]。限界:本レビューは、異質性の高いアウトカム指標による質の低い研究、一貫性のない劣った報告、出版バイアスの可能性などの文献の限界を大きく反映している。

訳注: 

監  訳: 2006.6.23

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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