推定的な非心原塞栓性虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作後の再発予防のための抗凝固薬

著者の結論: 

推定的な非心原塞栓性虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作のある人では、コントロールと比較して長期抗凝固療法による利益を示すエビデンスはなかったが、有意な出血リスクがあった。

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背景: 

初回虚血性脳卒中後の血栓塞栓症による血管イベントは頻発し、しばしば致死的である。抗凝固薬はそのようなイベントのリスクを軽減させる可能性があるが、その利益は致死的または障害を来たす出血リスクの増大で相殺されうる。

目的: 

推定的な非心原塞栓性虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作後の長期におよぶ抗凝固療法の効果を、プラセボまたは非盲検コントロールと比較評価する。

検索方法: 

2008年5月にCochrane Stroke Group Trials Registerを検索した。2008年6月に3つのオンライン試験登録を検索し、Web of Science Cited Reference Searchを用いて以前に含まれた研究の新たな引用を同定し、製薬企業に問い合わせ、また、含まれた試験に関してその後追加された情報について著者に問い合わせた。

選択基準: 

推定的な非心原塞栓性虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作が以前にあった人を対象に、1ヵ月以上にわたって抗凝固療法をコントロールと比較しているランダム化試験および準ランダム化試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に、含める試験を選択し、試験の質を評価し、データを抽出した。

主な結果: 

参加者2,487例を対象とした11件の試験を含めた。抗凝固をモニターするためのルーチンのコンピュータ断層撮影(CT)および国際標準化比が使用される以前の9件の試験の質は不良であった。抗凝固療法が及ぼす死亡や要介護のオッズへの効果(2件の試験オッズ比(OR)0.83、95%信頼区間(CI)0.52~1.34)、または非致死的な脳卒中、心筋梗塞、血管死亡のオッズへの効果(4件の試験、OR 0.96、95%CI 0.68~1.37)を示すエビデンスはいずれもなかった。何らかの原因による死亡(OR 0.95、95%CI 0.73~1.24)および血管系の原因による死亡(OR 0.86、95%CI 0.66~1.13)は、治療群とコントロール群との間で有意はなかった。これらの結論は、最近完了した2件の試験を含めても変わらなかった。虚血性脳卒中の再発リスクに対する抗凝固療法の効果を示すエビデンスはなかった(OR 0.85、95%CI 0.66~1.09)。しかし、抗凝固薬は致死的な頭蓋内出血を増加させ(OR 2.54、95%CI 1.19~5.45)、頭蓋外大出血を増加させた(OR 3.43、95%CI 1.94~6.08)。これは、抗凝固療法を行った患者1,000例あたり年間約11件のその後の致死的頭蓋内出血および25件のその後の頭蓋外大出血を抗凝固療法が引き起こすことに相当する。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2009.9.15

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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