原発性テント上脳内出血に対する手術療法

著者の結論: 

CTで確認された原発性テント上脳内出血の患者において、内科的治療に手術を併用することで、内科的治療単独の場合と比較して死亡または要介護のオッズが低下するが、その結果はあまり強固なものではない。手術から恩恵が得られるのはどういう患者か特定するために、また侵襲性の少ない方法を評価するために、さらなるランダム化試験が求められる。

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背景: 

原発性テント上脳内血腫に対する手術の割合および適応範囲は国によって大きなバラツキがあり、手術の効果が不確かであることを反映している。最近、文献上で、いくつかの大規模なランダム化試験がみられるようになったが、手術の役割については議論が続いている。コクラン・レビューでは1997年に始めて発表し、1999年に更新したが、今回はその最新版である。

目的: 

原発性テント上脳内血腫の患者を対象として、外科手術とルーチンの内科的治療を併用した場合の効果とルーチンの内科的治療単独とを比較評価する。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(2007年6月まで検索)を検索し、関連する論文の参考文献リストを確認し、関連のある試験の著者に問い合わせた。また、本レビューのオリジナル版では、2誌の雑誌、すなわちCurrent Opinion in Neurology and NeurosurgeryおよびNeurosurgical Clinics of North America(1991年~1993年7月)ならびに単行本3冊をハンドサーチした。関連情報については、研究の著者に問い合わせた。

選択基準: 

CTで確認された原発性テント上脳内血腫の患者を対象とし、ルーチンの内科的治療と頭蓋内手術の併用をルーチンの内科的治療単独と比較していたランダム化試験。頭蓋内手術には、開頭術、定位内視鏡的血腫除去術または定位血腫吸引術が含まれた。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に選択基準を適用し、試験の質を評価し、データを抽出した。

主な結果: 

試験10件、参加者2059例を選択した。試験の質はおおむね容認できるとはいえ、高くはなかった。このため、また大規模試験では総合判定は追跡不能例によって左右されるため、有効性の判定は強固なものではなく、バイアスの影響を受けていることが考えられる。手術の併用によって、最終追跡調査時点で参加者が死亡している、または介護を要する状態になっているオッズが統計学的に有意に低下した(オッズ比(OR)0.71、95%信頼区間(CI)0.58~0.88,2P=0.001)。これら研究の結果に有意な異質性はなかった。また、手術により、最終追跡調査時点での死亡のオッズが有意に低下した(OR 0.74、95%CI 0.61~0.90、2P=0.003)が、アウトカムとしての死亡には有意な異質性があった。

訳注: 

監  訳: 大神 英一,2009.2.20

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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