外回転術を利用して正期産の骨盤位を頭位に変える場合の補助的な介入法

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著者の結論: 

ECVを容易にするためのβ受容体作動薬により、初産婦および経産婦のいずれにおいても分娩および出生時の頭位が増加し、帝王切開率が低下したが、有害作用に関するデータは不十分であった。カルシウム拮抗薬および硝酸ドナーに関するデータは不十分で良好なエビデンスを得ることはできなかった。現時点では、ECVを容易にするためにはβ受容体作動薬を推奨する。

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背景: 

骨盤位は合併症の増加と関連する。そこで、外回転術(ECV)を利用して骨盤位の胎児を頭位に変え、出産時に骨盤位となる確率を減らし、骨盤位での出産または帝王切開の有害作用を軽減する試みがされている。ECVを容易にするために、子宮収縮抑制剤およびその他の方法が利用されている。

目的: 

正期産の骨盤位の胎児に対するECVに関して、子宮収縮抑制剤、胎児への音刺激、局所無痛法、経腹的羊水注入またはオピオイドの全身投与などの介入法を評価すること。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2011年9月30日)および同定された研究の文献リストを検索した。

選択基準: 

正期産時のECVを容易にするために上記介入法を、介入なし、またはその他の方法と比較したランダム化試験および準ランダム化試験

データ収集と分析: 

適格性および試験の質を評価した。検索戦略の結果、可能性ありとして同定されたすべての研究の組み入れについて、レビューア2名が独立して評価すると共に、計画的データ抽出用紙を用いてデータを抽出した。

主な結果: 

研究25件を組み入れ、女性2,548例に関するデータを得た。種々に比較した結果、組み入れた研究に臨床的異質性があったため、データの統合にはランダム効果モデルを利用した。エビデンスの総合的な質は妥当であったが、ある程度確実な答えを出すには多くの評価でデータが不十分であった。 子宮収縮抑制剤、特にβ受容体作動薬は分娩中の頭位の増加[平均リスク比(RR)1.38、95%信頼区間(CI)1.03~1.85、研究8件、女性993例]および帝王切開術の実施件数減少に有効であった(平均RR 0.82、95%CI 0.71~0.94、研究8件、女性1177例)。胎児の徐脈の発生に関するは確認されなかったが(平均RR 0.95、95%CI 0.48~1.89、研究3件、女性467例)、このアウトカムを評価するには本レビューは検出力が不足している。初産婦と経産婦との間で、分娩中の頭位へのECV成功、および帝王切開件数には認められなかった。様々な子宮収縮抑制剤を比較するにはデータが不十分であった。研究の質別に実施した感度分析の結果は総合所見と一致した。 ECV成功率の上昇に関して、局所無痛法と子宮収縮抑制剤との併用は子宮収縮抑制剤単独より有効であったが(ECV失敗率により評価、平均RR 0.67、95%CI 0.51~0.89、研究6件、女性550例)、分娩中の頭位(平均RR 1.63、95%CI 0.75~3.53、研究3件、女性279例)、帝王切開(平均RR 0.74、95%CI 0.40~1.37、研究3件、女性279例)および胎児の一過性徐脈の発現(平均RR 1.48、95%CI 0.62~3.57、研究2件、女性210例)には認められなかった。 振動音響刺激、羊水注入およびオピオイドの全身投与に関するデータは不十分であった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2012.4.25

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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