分娩中の羊水過小症に対する予防的及び治療的羊水注入の比較

子宮内胎児周囲の液体がきわめて少量の場合(羊水過小症)で胎児機能不全を認める場合、羊水注入は有用と思われるが、そうでない場合は不要である。 羊水過小症は、子宮内胎児周囲の液体がきわめて少量の状態をいう。羊水過小症は一部乳児に影響を与えるようには見えないが、一部では通常とは異なる心拍数又は便の排出(胎便)など、胎児機能不全の徴候が認められる場合がある。羊水過小症は、女性の膣又は腹部から子宮へと追加液(食塩水又は乳酸リンゲル液)を注入することにより(羊水注入)緩和可能である。女性116名を対象とする1件の試験のレビューでは、胎児機能不全の徴候を認める場合、羊水過小症に対し羊水注入が有用であることが明らかにされた。胎児が羊水過小症による胎児機能不全の徴候を示さない場合、羊水注入は有用ではない。

著者の結論: 

胎児心拍一過性徐脈又は胎便による濃い羊水混濁が生じた場合のみ実施する治療的羊水注入に勝る、予防的羊水注入の利点は認められないと思われる。

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背景: 

羊水注入は、子宮腔に液体を注入し分娩中の臍帯圧迫を緩和する方法である。

目的: 

本レビューの目的は、羊水過小症であるが胎児心拍一過性徐脈のない分娩中の女性に対する予防的羊水注入の効果を、胎児心拍一過性徐脈のある場合か胎便による濃い羊水混濁の場合のみ実施する治療的羊水注入と比較し評価することであった。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2012年2月28日)を検索した。

選択基準: 

羊水過小症であるが胎児心拍一過性徐脈のない分娩中の女性に対する予防的羊水注入を治療的羊水注入と比較するランダム化比較試験

データ収集と分析: 

レビューアらは試験の質を評価し、データを抽出した。

主な結果: 

女性116名を対象とする1件のランダム化比較試験を組み入れた。帝王切開率には認められなかった(リスク比1.29、95%信頼区間0.60~2.74)。臍帯動脈血pH、オキシトシンによる促進、新生児肺炎又は分娩後子宮内膜炎におけるは認められなかった。予防的羊水注入は、分娩時の発熱増加との関連を示した(リスク比3.48、95%信頼区間1.21~10.05)。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2013.1.30

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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