早産児の無呼吸に対するメチルキサンチン療法

著者の結論: 

メチルキサンチン類は、治療開始後2~7日間、無呼吸発作の回数を減じ、機械換気の使用を減じるのに有効である。カフェインでは長期アウトカムも良好である。低毒性であることを考慮すると、カフェインは無呼吸の治療に好ましい薬剤であると思われる。

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背景: 

反復性無呼吸は早産児、特に非常に早期の在胎週数でよくみられる。これらの無効な呼吸エピソードは、陽圧換気の使用を必要とするほど重症な低酸素血症や徐脈に至らしめる可能性がある。メチルキサンチン類(例えば、カフェイン、テオフィリン、アミノフィリン)が呼吸を刺激し、無呼吸とその転帰を改善するために用いられている。

目的: 

反復性無呼吸がある早産児において、無呼吸の発生率および間欠的陽圧換気(IPPV)使用や他の臨床的に重要なアウトカムに対するメチルキサンチン療法の効果を検討する。

検索戦略: 

検索の内容は、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、コクラン・ライブラリ 2010年第2号)、Oxford Database of Perinatal Trials、MEDLINE(1966年から2010年6月まで)、EMBASE(1982年から2010年6月まで)、文献に含まれる以前のレビュー、抄録、学会やシンポジウムの会議録、専門家情報提供者、主に英語でハンドサーチした雑誌であった。

選択基準: 

早産児における無呼吸に対して、無呼吸に対する治療薬としてのメチルキサンチン類(テオフィリン、カフェイン、アミノフィリン)をプラセボまたは無治療と比較した、ランダム化または準ランダム化の患者割りつけを用いた全ての試験を選択した。

データ収集と分析: 

複数のレビューアが独自に方法論的質を評価し、データを抽出した。解析は、Cochrane Neonatal Review Groupの勧告に準拠して行なった。

主な結果: 

6件の試験が、無呼吸の治療におけるメチルキサンチンの効果について報告した(テオフィリン試験3件、カフェイン試験3件)。合計192例の無呼吸がある早産児を登録した5件の試験は短期アウトカムを評価した;これらの研究において、メチルキサンチン療法により、最初の2日~7日間、無呼吸およびIPPV使用が減少した。無呼吸に対する治療を受けた乳児サブグループを対象にカフェインとコントロールを比較した大規模CAP試験のpost-hoc解析は、PDA結紮率が有意に低下し;最後の酸素療法、最後の気管内チューブ使用、最後の陽圧換気時の月経後年齢が有意に低下し;36週後の慢性肺疾患が有意に減少したことを報告した。

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