子癇に対する硫酸マグネシウムとフェニトインの比較

著者の結論: 

硫酸マグネシウムは、フェニトインと比較して、子癇の女性に対して発作の再発リスクを減少させ、おそらく母体の死亡のリスクを減少させ、乳児のアウトカムを改善する。硫酸マグネシウムは子癇の女性に対する選択薬である。フェニトインの使用は止めるべきである。

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背景: 

子癇とは、子癇前症と関連した発作の発生であり、稀ではあるが重大な妊娠合併症である。子癇発作を抑制し更なる発作を予防するために、多数の様々な抗痙攣薬が用いられている。

目的: 

本レビューの目的は、子癇の女性のケアに用いられる場合のフェニトインと比較した硫酸マグネシウムの効果を評価することであった。他のコクラン・レビューにおいて硫酸マグネシウムはジアゼパムや遮断カクテルと比較されている。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Registerを検索した(2010年4月30日)。

選択基準: 

子癇の臨床的診断のある女性を対象として、硫酸マグネシウム(静脈内投与または筋肉内投与)とフェニトインを比較しているランダム化試験

データ収集と分析: 

2人のレビューアが試験の質を評価し、データを抽出した。

主な結果: 

972例の女性を対象とした7件の試験からのデータを選択した。1件の大規模試験(775例の女性)は質が良好であった。フェニトインと比較した場合、硫酸マグネシウムにおいて発作の再発率が大幅に減少した(リスク比(RR)0.34、95%信頼区間(CI)0.24~0.49)。母体の死亡率は硫酸マグネシウム群で低い傾向があったが、は統計学的有意に達していない(3件の試験、847例の女性;RR 0.50、95%CI 0.24~1.05)。硫酸マグネシウムの使用により、フェニトインと比較して、肺炎(1件の試験、RR 0.44、95%CI 0.24~0.79)、人工呼吸(1件の試験、RR 0.68、95%CI 0.50~0.91)、および、集中治療室への入院(1件の試験、RR 0.67、95%CI 0.50~0.89)のリスクが減少した。乳児に対して、硫酸マグネシウムにおいて、フェニトインよりも、SCBU(special care baby unit)への入院(1件の試験、518例の乳児;RR 0.73、95%CI 0.58~0.91)が少なく、死亡または7日間を越えてSCBUに在室する(1件の試験、643例の乳児;RR 0.77、95%CI 0.63~0.95)乳児が少なかった。周産期死亡に明らかなはなかった(2件の試験、665例の乳児;RR 0.85、95%CI 0.67~1.09)。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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