慢性非癌性疼痛において処方されたオピオイド使用の減少

この日本語訳は最新版ではない。 ここをクリックし最新の英語版をご覧ください。

成人の5人に1人が、癌によるものではない中等度または重度の慢性疼痛に苦しめられている。この種の疼痛の治療には、オピオイドが使用されることがある(モルヒネ、コデイン、オキシコドン、フェンタニルまたはブプレノルフィンなどの薬剤が多く、これらを錠剤または皮膚に貼付するパッチ剤として使用する)。この薬物療法は、効果が得られない、あるいは効果が長時間持続しないことが珍しくなく、用量を増加させても、効果的な疼痛緩和が得られないことがある。オピオイド薬は、突然中止すると不快な副作用が引き起こされるため、使用を中止するのは、特にしばらく使用し続けていた場合は容易ではない。このレビューでは、疼痛に処方されたオピオイドの服用を安全に中止するのに役立つ治療に関する質の高い試験(ランダム化比較試験)を探した。しかし、見つかったのは2試験のみであり、試験参加者も86人にとどまった。このような少ない情報からは、結論を導き出すことはできない。このレビューでは調べなかったが、非ランダム化試験では、集中リハビリテーションのプログラムを受けた患者の多くで、オピオイド使用の大幅な減少に成功したことが示されている。慢性非癌性疼痛に処方されたオピオイド使用の減少は、今後の調査を要する重要な課題である。

著者の結論: 

評価した2試験は、いずれも小規模で、盲検化などに重要な問題があるため、著しいバイアスのリスクがあった。このリスクがあるため、また関連する試験が少ないため、慢性非癌性疼痛におけるオピオイド中止に向けた介入の有効性に関して結論を導き出すことはできない。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

オピオイドを処方されて服用している慢性非癌性疼痛患者は、高用量オピオイドを長期間使用していても効果的な疼痛緩和が得られていないことがある。十分な疼痛緩和が得られていない患者では、処方するオピオイドの減量が、患者と臨床医の間で望ましい共有すべき目標となるのではないかと思われる。まったく監視がない状態でオピオイドの使用を減少させるのは臨床的に課題が多く、達成維持が非常に困難である。

目的: 

慢性非癌性疼痛を管理するため処方されたオピオイドの減量または中止を達成する目的で考えられたさまざま方法の有効性を調査すること。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINEおよびEMBASEを最初から2013年4月8日まで、ならびに参考文献を検索した。

選択基準: 

介入を受けたオピオイド使用者と、通常の治療を受けたコントロール群、実薬コントロールまたはプラセボとを比較したランダム化比較試験(RCT)をレビューに含めた。試験の目的として、オピオイドによる薬物療法の減量または中止という治療目標を含む試験であることとした。

データ収集と分析: 

処方されたオピオイドの使用、オピオイド減量による有害事象、疼痛、ならびに精神的機能および身体的機能に関連するデータを収集した。

主な結果: 

2試験の参加者86例に関する情報が得られた。1試験では、電気鍼療法を20分週2回6週間実施し、同条件の偽鍼療法と比較した。その結果、治療間の差はみられなかった。もう1試験では、11週間の認知行動療法後に、コンピュータを利用して治療的双方向音声応答により4カ月間追跡した場合と、通常の治療を実施した場合とを比較した。その結果、治療群ではオピオイドの使用が有意に減少したのに対し、通常のケア群では有意に増加した。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2016.8.9]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Share/Save