冠動脈性心疾患の患者における経皮的冠動脈インターベンション後の再狭窄を予防するためのXiongshaoカプセル

冠動脈性心疾患(CHD)は、世界において死亡および障害の主要原因である。ステント留置を伴う経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、CHDの非外科的な標準治療法である。しかし、その主な限界として、ステント留置後に血管の閉塞が繰り返し発生する。実験および臨床研究からのデータから、漢方薬のXiongshaoカプセルはPCI処置後の血管再狭窄予防に有益である可能性が示唆されている。PCI処置後に繰り返される血管閉塞に対するXiongshaoの効果および安全性について信頼性ある評価を実施する目的で、現在利用可能なエビデンスをシステマティックに評価した。

Xiongshaoカプセルに基づく治療についての4件の試験を同定した。2件の試験では、CHD患者におけるPCI処置後の再狭窄を予防する目的で、Xiongshaoカプセルと従来の西洋薬との併用群を同様の従来の西洋薬とプラセボとの併用群、その他の2件の試験ではXiongshaoカプセルと従来の西洋薬との併用群を同様の従来の西洋薬単独群とで比較した。これらの試験では、Xiongshaoカプセル使用によって、PCI処置後に再狭窄、再発狭心症、および重篤な心血管の有害事象の発症率の有意な減少と、有害作用が発生しなかったことが報告された。 従って、Xiongshaoカプセルは、PCI処置後のステント内再狭窄の予防のための選択肢となりうる。ただし、要約の推定値は再狭窄に対するXiongshaoの予防効果を示しているものの、エビデンスは、すべて中国で実施された小規模のランダム化試験から一部を得ているので、所見の妥当性を損なう方法論的限界がある。十分な症例数を対象とした高品質な研究試験がさらに必要である。

著者の結論: 

要約の推定値ではXiongshaoの再狭窄に対する予防効果が示されており、CHD患者におけるPCI後の再狭窄予防にXiongshaoカプセルを使用できる可能性について示唆している。しかし、このエビデンスは、すべて中国で実施された小規模のランダム化試験から得たもので、選択した試験のうち2件は、所見の妥当性を損なう重要な方法論的限界を示していた。十分な症例数を対象とした高品質な研究試験がさらに必要である。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

ステント留置を伴う経皮的冠動脈介入(PCI)は、冠動脈性心疾患(CHD)の標準治療法である。PCI後のステント内再狭窄は、依然として重要な臨床的問題である。Xiongshao カプセルは、CHD患者に対するPCI後の再狭窄予防に有益であることが報告されている。 しかしながら、Xiongshao カプセルを使用することを支持するエビデンスの強さは不明である。

目的: 

CHD患者に対するPCI後の再狭窄予防における漢方薬Xiongshaoの有効性および安全性をシステマティックに評価すること。

検索戦略: 

「コクラン・ライブラリ(2012年第3号)」のCochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL)、 MEDLINE (OVID) (1948~2012年3月第1週)、EMBASE (OVID) (1980~2012年第10週)、ISI Web of Science with Conference Proceedings (1970~2012年3月14日)、LILACS (1982~2012年3月15日)、Chinese biomedical literature database (1980~2012年5月)、 China National Knowledge Infrastructure (1994~2012年5月)、Chinese Medical Current Contents (1994~2012年5月)、VIP Database for Chinese Technical Periodicals (1989~2012年5月)、Chinese Master’s Theses Full-Text Database (1994~2012年5月)、China Doctor Dissertation Full-Text Database (1994~2012年5月)、China Proceedings of Conference Full-Text Database (1994~2012年5月)を検索した。さらに、現在進行中の試験および研究の登録システムも検索した。

選択基準: 

公式に認められた診断基準に合致し、問題なくPCI処置を受けたCHD患者を対象として、Xiongshaoカプセル単独群、従来の西洋薬との併用群を、同様の西洋薬単独群とプラセボ併用群とで比較したすべてのランダム化比較試験を選択した。

データ収集と分析: 

2名のレビュー著者が独立して試験を選択し、データを抽出した。2名のレビュー著者が独立して、コクラン共同計画ツールを使用して選択した試験のバイアスのリスクを評価した。相違点は3人目のレビュー著者と議論して解決した。母数モデルを使用し、データをプールしてメタアナリシスを実施した。結果は、リスク比(RR)として示された[95%信頼区間(CI)]。

主な結果: 

本レビューでは、649例の参加者を対象とした4件の試験を選択した。これらの試験のうち2件(459例の参加者)は、ランダム化二重盲検プラセボ比較試験として、適切な方法論的記述でデザインされた。他の2件の試験(190例の参加者)では、不適切な方法論的デザインの記述であった。649例の参加者を対象とした計4件の試験をメタアナリシスに選択した。Xiongshaoカプセルと従来の西洋薬との併用群、そして同様の従来の西洋薬単独群との間に、再狭窄、再発狭心症、および重篤な心血管の有害事象の発症率について有意差が認められた。[RR値 (95%CI)はそれぞれ 0.41 (0.22~ 0.75)、0.47 (0.31~ 0.72)、0.47 (0.25~0.90)であった]。Xiongshaoカプセルと従来の西洋薬との併用は、同様の従来の西洋薬とプラセボとの併用と比較して、再狭窄(RR 0.52、95%CI 0.33~0.80)、再発狭心症(RR 0.52、95%CI 0.33~ 0.80)、および重篤な心血管の有害事象(RR 0.45、95%CI 0.28~0.70)により有意な減少が認められた。2件の試験ではXiongshaoカプセルの安全性アウトカムおよび有害事象が評価されていたが、有害事象は報告されていなかった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2016.1.9]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Tools
Information
シェア/保存する