糖尿病網膜症患者における黄斑浮腫の検出に対する光学的干渉断層検査(OCT)

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著者の結論: 

眼科診療所に紹介された患者において、CSMOの中心部の種類を診断し、レーザー光凝固術の使用を決定するための単独検査として、OCTにより測定した中心網膜肥厚を使用することはできない。実際、臨床的診察に基づいた、ETDRSのCSMOの定義とOCT結果には、かなりの不一致がみられる。一部の研究者の報告では、臨床診察よりもOCTの方が黄斑肥厚を早期に検出できるが、そのような症例では必ずしもCSMOまで進行せず光凝固術を要しないという所見も得られている。

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背景: 

糖尿病性黄斑浮腫(DMO)は、中心網膜すなわち黄斑の肥厚で、糖尿病網膜症(DR)患者での長期の視力低下に関連している。臨床的に有意な黄斑浮腫(CSMO)は、DMOの最重度型である。約30年前、Early Treatment Diabetic Retinopathy Study(ETDRS)から、立体眼底撮影法で診断したCSMOによって、4例中1例の患者が3年以内に中等度の視力低下を起こすと言う所見が得られた。また、黄斑に対するグリッドまたは限局性レーザー光凝固術がこのリスクを半減することが示されている。最近、糖尿病網膜症(DR)よる黄斑浮腫患者における視力を改善しようと抗血管新生薬の硝子体内注射の検討が行われている。光学的干渉断層検査(OCT)は光学反射率に基づいており、網膜の肥厚および構造を画像化することが可能で、中心網膜の横断画像および三次元画像を得ることが可能である。写真の代用として眼科医が通常使用する眼底生体顕微鏡による主観的評価と違い、黄斑浮腫の客観的かつ定量的評価が得られることから、OCTは既に広く使用されている。また光学的干渉断層検査はCSMOの治療効果の定量的フォローアップにも使用されている。OCT利用に伴う欠点は検査機器の購入費用と訓練を受けた検査実施者を要することである。

目的: 

DR患者における黄斑浮腫を検出するためのOCTの診断的正確性を評価すること。副次目的は、方法論、患者またはOCTに関連する因子などの研究特異的な特徴別に診断的正確性を比較すること。

検索戦略: 

Cochrane Database of Systematic Reviews(CDSR)、Database of Abstracts of Reviews of Effects(DARE)、Health Technology Assessment Database(HTA)、英国国民保健サービスEconomic Evaluation Database(NHSEED)(コクラン・ライブラリ2011年、 Issue 5)、MEDLINE(1950年1月~2011年5月)、EMBASE(1950年1月~2011年5月)、ISI Web of Science(1970年1月~2011年5月)、BIOSIS Previews(1969年1月~2011年5月)、MEDIONおよびAggressive Research Intelligence Facility database(ARIF)を検索した。試験に対する電子的検索において日付および言語による制約は設けなかった。電子的データベースの最新の検索は2011年5月16日に実施した。その後追加された参照文献について関連性のある研究の文献目録をチェックした。

選択基準: 

眼科診療所に紹介されたDR患者におけるDMOまたはCSMOの検出に対するOCTモデルの診断的正確性を評価している研究を選択した。糖尿病性黄斑浮腫およびCSMOは、眼科医による眼底生体顕微鏡、あるいは眼科医または他の訓練を受けた者による立体撮影法によって診断した。

データ収集と分析: 

3名のレビューアが別々に研究の特徴および正確性の指標に関するデータを抽出した。ランダム効果階級的sROCメタアナリシスモデルを用いてデータを評価した。

主な結果: 

9件の研究(参加者768例、1,325眼)が選択基準に合致した。CSMOの有病割合は19~65%(中央値50%)であった。研究の質はQUADASアイテムの半数で良好であったが、選択基準、指標と参照検査のマスキング(盲検化)、臨床情報の入手、解釈不能の結果および中止例に関して研究の一部に不明あるいは不十分な質が認められた。両眼が独立しているという解析に参加者の大多数の両眼を含めたことから、特異的な「解析単位」の問題がみられた。中心CSMOが1件の研究を除く全研究で対象とする病態であったことから、本結果を非中心CSMOに適用することはできない。CSMOについてデータを提供している8件の研究(参加者697例、1,241眼)において、統合感度は0.78[95%信頼区間(CI)0.72~0.83]で特異度は0.86(95% CI 0.76~0.93)であった。データ抽出に選択した中心網膜肥厚カットオフ中央値は250 μm(範囲:230 μm~300 μm)であった。DMO検出の正確性を報告している3件の研究(参加者180例、343眼)によるデータは統合しなかった。2件の研究の感度および特異度は約0.80で3件目の研究では1.00であった。

訳注: 

監  訳: 曽根 正好,2011.11.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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