喘息に対する遠隔医療

著者の結論: 

遠隔医療介入は、比較的軽度の喘息の人において臨床的に関連性のある健康アウトカム改善を生じる可能性は低いが、入院のリスクが高いより重度の喘息の人では何らかの役割を有すると思われる。様々な遠隔医療介入の有効性と費用対効果を評価している更なる試験が必要である。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

医療システムは、国際的に、喘息の人の数が増加していることに対応するための新しいケア・モデルを考慮する必要がある。遠隔医療介入は喘息ケアを提供する有望な方法であると政策立案者はますます認識している。遠隔医療を、遠隔地から届けられ、電子的に容易になった、技能と判断力を有する医療従事者と情報を提供される患者間の個別の情報交換を伴う医療と定義した。

目的: 

喘息患者における遠隔医療介入の有用性を評価する。

検索戦略: 

次のデータベースを検索した:Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE、EMBASE、CINAHL、AMED、PsycINFO;これに呼吸器に関する雑誌をハンドサーチすることにより補足した。また、進行中や未発表の試験の登録も検索した。

選択基準: 

喘息ケアの改善を目指した遠隔医療イニシアチブの完了したランダム化比較試験(RCT)を選択した。

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自に研究を選択すべきかどうか評価し、データを抽出し、メタアナリシスを行った。二値変数を解析してオッズ比(OR)を求め、連続変数を解析して平均差を求めた。

主な結果: 

本レビューに21件の試験を選択した。選択した21件の研究は、遠隔地からのケア提供をサポートすることを目指した様々なテクノロジーを検討した。これらテクノロジーには次のものがあった:電話(n=9);テレビ相談(n=2);インターネット(n=2);その他のネットワーク通信(n=6);テキストShort Messaging Service(n=1);テキストとインターネットの組み合わせ(n=1)。メタアナリシスは、これらの介入は喘息のQOL(quality of life)の臨床的に重要な改善(最小臨床的重要差=0.5)を生じないことを示した:AQLQ(Juniper's Asthma Quality of Life Questionnaire)平均差0.08(95%CI 0.01~0.16)。喘息に対する遠隔医療は12カ月間中の救急部門への受診のオッズの有意でない増大を生じた:OR 1.16(95%CI 0.52~2.58)。しかし、12カ月間中の入院が有意に減少し(OR 0.21(95%CI 0.07~0.61))、この効果は、主として二次ケアの場で管理されたより重度の喘息の人で最も顕著であった。

訳注: 

監  訳: 尹 忠秀,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Tools
Information
シェア/保存する