分娩第3期女性における積極的管理と待機的管理との比較

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著者の結論: 

質の高いエビデンスは得られなかったものの、第3期の積極的管理は、様々な多量出血リスクの女性集団で出産時の1,000 mL以上の出血リスクを低下させたが、有害作用も認められた。女性のインフォームド・チョイスをサポートするため、各管理法の利益と有害性に関する情報を提供すべきである。早期の臍帯結紮と一部の子宮収縮薬で起こり得る有害作用についての懸念を考慮すると、第3期管理の個々の要素について現在検討することは極めて重要である。低所得国のデータも必要である。

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背景: 

分娩第3期における積極的管理では、予防的子宮収縮薬の投与、早期の臍帯結紮、胎盤娩出のためのコントロール下の臍帯牽引が行われる。待機的管理では、胎盤剥離の徴候を待ち、胎盤は自然に分娩される。積極的管理は低所得国における母体死亡の大きな原因である出血を減らす試みとして導入された。

目的: 

分娩第3期の積極的管理と待機的管理の有効性を比較する。

検索戦略: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group Trials Register(2011年2月15日)を検索した。

選択基準: 

分娩第3期の積極的管理と待機的管理を比較した、ランダム化および準ランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に、研究を選択し、バイアスのリスクを評価し、データの抽出を行った。

主な結果: 

すべて病院で行われた7件の研究(うち6件は高所得国、1件は低所得国で行われ、8,247名の女性を含む)を選択した。そのうち4件は積極的管理と待機的管理との比較であり、3件は積極的管理と混合管理との比較である。臨床的異質性のため、解析ではランダム効果モデルを用いた。主要アウトカムでは質の高いエビデンスは得られなかった。積極的管理は、様々な出血リスクの女性で、出産時の母体の一次出血(>1,000 mL)[平均リスク比(RR)0.34、95%信頼区間(CI)0.14~0.87、3件の研究、4,636例]、および出産後の9 g/dL未満の母体ヘモグロビン(Hb)(RR 0.50、95%CI 0.30~0.83、2件の研究、1,572例)の平均リスクは低かった。新生児治療室への入院数(RR 0.81、95%CI 0.60~1.11、2件の研究、3,207例)や、治療が必要な黄疸の罹患率(RR 0.96、95%CI 0.55~1.68、2件の研究、3,142例)に差はなかった。その他の主要アウトカムである出産時の重度の分娩後出血(PPH)(>2,500 mL)、母体死亡率、治療を必要とする新生児多血症に関するデータはなかった。 積極的管理によって500 mL以上の一次出血、出産時の母体平均出血量、母体への輸血、分娩第3期と出産後24時間以内の治療的な子宮収縮薬使用の有意な減少と、拡張期血圧、出産後嘔吐、後陣痛、出産から退院までの間の鎮痛剤使用の有意な増加が見られ、出血による再来院が増加した(予後は不明)。積極的管理においては、児の出生体重の低下もみられ、胎盤輸血が妨げられることによる血液量減少を反映していた。 多量出血リスクの低い女性サブグループでも、重度の出血および母体Hbが9 g/dL未満(24~72時間後)に有意差が認められなかったことを除き、同様の知見が認められた。 高血圧と胎盤輸血の妨げは、積極的管理パッケージの変法(麦角を使用しない、臍帯結紮を遅らせる等)を用いることにより回避される可能性があるが、現時点では直接のエビデンスはない。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2012.3.13

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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