分娩時の母体疼痛緩和のための非経口オピオイド

著者の結論: 

非経口オピオイドにより、分娩中の疼痛緩和が多少得られるが、有害作用を伴う。オピオイドによる鎮痛に対する母体の満足度についてはほとんど報告がなかったが、よくても中等度と考えられる。本レビューは、分娩時の疼痛管理を検討した関連するコクラン・レビューとともに検討する必要がある。いずれの鎮痛介入が最も有効で、母親と新生児にとって受容できる有害作用でありながら、母親に最大の満足を与えるかを明らかにするには、より多くの研究が必要である。

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背景: 

世界中の多くの国において、分娩時の疼痛緩和を目的として非経口オピオイドが用いられている。

目的: 

分娩中の女性に投与される種類、用量および投与方法が異なる非経口オピオイドの受容性、有効性、安全性を評価すること。

検索戦略: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group’s Trials Register(2011年4月30日)および抽出した研究の文献リストを検索した。

選択基準: 

分娩中の女性に対するオピオイド筋注または静注(自己調節鎮痛法を含む)を検討したランダム化比較試験を選択した。オピオイドを他のオピオイド、プラセボ、その他の非薬物的介入[経皮的電気神経刺激(TENS)]または吸入鎮痛薬と比較した研究を探索した。

データ収集と分析: 

2名以上のレビューアが別々に研究の適格性を評価し、データの収集およびバイアスのリスク評価を実施した。

主な結果: 

オピオイドとプラセボ、その他のオピオイド筋注もしくは静注、または背部へのTENSを比較した7,000例を超える女性に関する57件の研究を選択した。57件の研究で29の様々な比較について報告されており、多くのアウトカムは1件の研究のみによるデータであった。全体的には、オピオイドの鎮痛効果、鎮痛に対する満足度、有害作用および母子に対する有害性に関して、エビデンスの質が低かった。統計学的に有意な結果はほとんど認められなかった。研究の多くはサンプルサイズが小さく、統計学的検出力が低かった。全体の結果から、非経口オピオイドにより分娩中にある程度の疼痛緩和と中程度の鎮痛に対する満足度が得られることが示されたが、オピオイドの投与を受けた3分の2に上る女性で、投与1時間または2時間後の中等度もしくは重度の疼痛および/または低度もしくは中等度の疼痛緩和が報告された。オピオイドは薬剤により有害作用が異なるが、オピオイド薬は母体の悪心、嘔吐、傾眠を伴った。オピオイドが新生児に有害作用を及ぼすという明らかなエビデンスはなかった。いずれのオピオイド薬が、最小の有害作用で最大の疼痛緩和が得られるかを評価するには、エビデンスが不十分であった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2012.2.7

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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