妊娠中の局所副腎皮質ステロイド薬の安全性

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著者の結論: 

現時点の限られた不確定なデータからは、局所ステロイド薬と先天異常、早産または死産との間に関連性を検出することはできない。現在のエビデンスは、局所ステロイド薬を使用している妊婦と使用していない妊婦との間に統計学的な有意差を示していない。しかし、極めて強力な局所ステロイド薬と出生時低体重との間には関連性があると考えられる。包括的なアウトカム指標、ステロイド薬の効力・用量効果、適用方法およびステロイド薬の投与理由に関する評価、ならびに極めて大きなサンプルサイズを用いるコホート研究が必要である。

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背景: 

局所副腎皮質ステロイド薬は皮膚科治療で最も頻繁に処方されており、皮膚症状のある妊婦に頻繁に使用されている。しかし、妊娠中におけるそれらの薬剤の安全性についてはほとんど知られていない。

目的: 

妊娠アウトカムに対する局所ステロイド薬の影響を評価する。

検索戦略: 

2009年5月5日、Cochrane Skin Group Specialised Register、Cochrane Pregnancy and Childbirth Group Specialised Register、CENTRAL(コクラン・ライブラリ、2009年第2号)、MEDLINE(2003年以降)およびEMBASE(2005年以降)を検索した。また、LILACS、CINAHL、British Nursing Index、SCI-EXPANDED、BIOSIS Previews、Conference Papers IndexおよびConference Proceedings Citation Index-Scienceを開始から2009年5月まで検索した。含まれた研究、公表されたレビュー、含まれた研究に引用されていた論文の参考文献の一覧をスキャンした。最初の局所ステロイド製剤を導入した製薬会社に問い合わせた。

選択基準: 

妊婦を対象に局所ステロイド薬のランダム化比較試験およびコホート研究、ならびに症例と対照との間で局所ステロイド薬への母体曝露を比較している症例対照研究が含まれ、アウトカムは予め特定していたものであった。含まれたアウトカムは、分娩様式、先天異常、出生時体重、早産、死産、低いアプガー指数であった。

データ収集と分析: 

レビューア2名が独自に選択基準を適用し、データを抽出し、選択した研究の質を評価した。第3のレビューアが見解の相違を解決した。

主な結果: 

参加者659,675例からなるコホート研究2件および症例対照研究5件の計7件の研究が採択された。方法論的にきわめて異質性があったためメタアナリシスは実施しなかった。利用可能なデータは限られており、主に口腔顔面裂に関するものであった。ほとんどの研究で、局所ステロイド薬と分娩様式、先天異常、早産および死産などの妊娠に関するアウトカムとの間に有意な関連性を見出すことはできなかった。1件の研究で、妊娠第1期の局所ステロイド薬の使用と口腔顔面裂との間で有意な関連性が見出され、別の試験では、きわめて強力な局所ステロイド薬と低出生時体重との間に有意な関連性を認めた。しかし、すべての研究に欠点があり、エビデンスの質は低いか極めて低いものであった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2009.11.16

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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