分娩時疼痛管理のための経皮的電気神経刺激(TENS)

著者の結論: 

TENSが分娩時の疼痛を軽減させるというエビデンスは限定的にすぎず、母児のその他のアウトカムに何らかの影響(正または負のいずれも)を及ぼすとは考えられない。分娩早期の自宅でのTENSの使用については評価されていない。TENSは病院環境で広く利用が可能であり、女性には、分娩時に当該装置を使用する選択肢が与えられるべきである。

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背景: 

経皮的電気神経刺激(TENS)は、分娩時の疼痛緩和の手段として提唱されている。TENS装置は、異なる周波数および強度の低電圧電気刺激を放出する。TENS電極は、経穴や身体のその他の部位を刺激するために使用される場合があるが、分娩時には、通常、腰部に置かれる。TENSが疼痛を緩和する生理学的機序は明らかになっていない。TENS装置は、妊産婦女性本人が操作する場合が多く、これにより分娩時のコントロール感が高まると考えられている。

目的: 

分娩時疼痛に対するTENSの効果を評価すること。

検索戦略: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2011年4月30日)および抽出した論文の文献リストを検索した。

選択基準: 

分娩時疼痛管理のためにTENSを受けた妊産婦を、ルチーンのケア、代替の非薬理学的疼痛緩和法、またはプラセボ装置と比較したランダム化比較試験。種類を問わず、すべてのTENS装置を選択した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが、検索戦略により同定されたすべての試験について、選択するかを評価し、データの抽出およびバイアスのリスク評価を実施した。研究を除外する場合は、理由を記録した。

主な結果: 

女性1,466例に関する17件の試験を本レビューのデータとした。TENSは、13件で背部、2件で経穴、および2件で頭蓋に使用され、検討されていた。全体として、TENS群とコントロール群に疼痛評価における差はほとんど認められなかったが、経穴にTENSを受けた妊産婦では、重度の疼痛報告が少ない傾向にあった(リスク比0.41、95%信頼区間0.31~0.54、研究2件による算出)。TENSを使用した女性のほとんどが、今後の分娩でもTENSを使用したいと述べた。硬膜外鎮痛の補助としてTENSを使用した場合、TENSにより疼痛が軽減したというエビデンスはなかった。TENSが分娩時の介入およびアウトカムに何らかの影響を及ぼすという一貫したエビデンスはなかった。母児のアウトカムに関する情報はほとんどなかった。有害事象は報告されていなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.12.15

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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