12歳までの小児における急性中耳炎の予防を目的としたキシリトール投与

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著者の結論: 

保育所に通う健康な小児において、キシリトールの予防投与は、AOM発症リスクを25%低下させる公正なエビデンスが認められた。本メタアナリシスは、主に同じ研究グループによる少数の研究に基づくデータであるため、限定的である。

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背景: 

急性中耳炎(AOM)は、米国で幼児に最も多い細菌感染であり、抗菌薬および手術による治療には限界と懸念がある。そのため、有効な予防策に関心が集まっている。予防策の可能性のひとつが、齲歯リスクを低減する天然の砂糖代用品のキシリトールである。キシリトールはin vitroにおいて、肺炎球菌(S. pneumoniae)およびインフルエンザ菌(H. influenzae)の鼻咽頭細胞への吸着を抑制する。

目的: 

12歳までの小児を対象にAOMの予防に対するキシリトールの有効性と安全性を評価する。

検索戦略: 

Cochrane Acute Respiratory Infections Group's Specialised Registerを含むCochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2011年第3号)、MEDLINE(1950年~2011年8月第1週)、EMBASE(1974年~2011年8月)、CINAHL(1982年~2011年8月)、Health and Psychosocial Instruments(1985年~2011年8月)、Healthstar(OVID)(1966年~2011年8月)、 International Pharmaceutical Abstracts(2000年~2011年8月)を検索した。

選択基準: 

12歳以下の小児におけるAOM予防を目的として、キシリトール投与群とプラセボ群または無治療群とを比較したランダム化比較試験(RCT)または準ランダム化比較試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが、検索結果から独自に試験を選択し、本レビューの対象として研究の質を評価判定し、関連性のあるデータを抽出した。欠損データについては著者に問い合わせた。キシリトールに関するあらゆる有害事象を記録した。関連性のあるアウトカムに関するデータを抽出し、リスク比(RR)、リスク差(RD)および対応する95%信頼区間(CI)を算出して、効果サイズを推定した。

主な結果: 

本研究の適格基準を満たす適切な方法論的質を有する研究4件を同定した。フィンランドの保育所に通う健康な小児計1,826例を対象とした3件のRCTにおいて、対照群と比較してキシリトール投与群(剤形を問わず)にAOM発症リスクの低減が認められた(RR 0.75、95%CI 0.65~0.88)。4番目のRCTには、呼吸器感染症を有するフィンランドの保育所の小児1,277例が対象となり、キシリトールによるAOM発症率の低減効果は認められなかった(RR 1.13、95%CI 0.83~1.53)。キシリトールチューインガム は、健康な小児に対するAOM予防においてキシリトールシロップより優れていたが(RR 0.59、95%CI 0.39~0.89)、呼吸器感染症がある場合は優越性が認められなかった(RR 0.68、95%CI 0.43~1.07)。健康な小児(RR 0.77、95%CI 0.53~1.11)および呼吸器感染症がある小児(RR 0.74、95%CI 0.47~1.14)に対するAOM予防において、キシリトールトローチとシロップとの間に差はなかった。同様に、健康な小児(RR 0.73、95%CI 0.47~1.13)および呼吸器感染症がある小児(RR 0.92、95%CI 0.59~1.46)に対するAOM予防において、キシリトールチューインガムとトローチとの間に差はなかった。脱落の理由については、腹部不快感および発疹にキシリトール投与群と対照群との間に有意な差はなかった。

訳注: 

監  訳: 尹 忠秀,2012.3.13

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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