てんかんに対する追加療法としてのメラトニン使用

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てんかんは最もよくみられる慢性の神経障害の一つで、いくつかの抗てんかん薬を利用できるにもかかわらず、患者の30%では発作が継続してみられる。報告によると、メラトニンには抗けいれん作用があり、安全性プロファイルは良好であると示唆されている。参加者102名の4件の試験を今回のレビューに組み入れた。1、メラトニン対プラセボ、2、メラトニン5 mg対メラトニン10 mgの2つの異なる比較が実施されていた。選択した研究の方法論的質は不良で、発作頻度、発作消失、有害事象をシステマティックに評価していなかった。1件の研究のみが、ベースラインに比べた試験中の発作頻度をシステマティックに報告しており、1件の試験のみが生活の質に対するメラトニンによる直接の影響について評価していた。てんかんの人における発作頻度の低下および生活の質の改善でのメラトニンの役割について、明らかな結論を出すことはできなかった。

著者の結論: 

選択した研究の方法論的質は不良で発作頻度と有害事象をシステマティックに評価していなかったため、メタアナリシスでデータを要約できなかった。てんかん患者において、発作頻度の低下および生活の質の改善でのメラトニンの役割について何らかの結論を出すことはできなかった。

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背景: 

てんかんは、最もよくみられる慢性の神経障害である。多数の抗てんかん薬(AED)が現在利用可能であるにもかかわらず、患者の30%には発作が継続してみられる。第一選択の方法である単剤療法による発作のコントロールが奏効しないことから、この種の患者にはより積極的な治療が必要となる。しかし多くの場合、多剤療法により神経障害(傾眠、運動失調、めまい)、精神症状、行為症状、代謝変動(骨粗鬆症、肝酵素誘導または阻害など)などの望ましくない多数の影響がみられる。忍容性の高いAEDがこの種の患者には至急に必要である。報告によると、メラトニンには抗けいれん作用があり、安全性プロファイルは良好であると示唆されている。

目的: 

てんかんに対する追加療法としてのメラトニンの有効性および忍容性を評価すること。

検索戦略: 

Cochrane Epilepsy Group Specialized Register(2012年5月)、 Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL第12号4、コクラン・ライブラリ2012年)、MEDLINE(1946年~2012年4月)を検索した。あらゆる同定した研究の文献目録から、さらなる参考文献について検索した。選択した雑誌および学会議事録をハンドサーチした。言語の制限は設けなかった。さらに、メラトニン製造会社(Nathura社)および原著者に連絡を取り、あらゆる未発表の研究を同定した。

選択基準: 

ランダム化比較試験;二重盲検、単盲検または非盲検試験;並行群間試験またはクロスオーバー研究。年齢、性別を問わず、障害のある小児、成人を含めたてんかんの人。抗てんかん薬に対する追加療法としてメラトニンの投与をプラセボ追加または無追加療法と比較しているもの

データ収集と分析: 

レビューアが事前に規定した基準による選択に照らして別々に試験を選択し、関連性のあるデータを抽出し、試験の方法論的質を評価した。以下のアウトカムを評価した;50%以上の発作頻度低下、発作消失、有害事象、生活の質。

主な結果: 

参加者総数102名(90名は18歳未満)の4件の発表論文を組み入れた。1、メラトニン対プラセボ、2、メラトニン5 mg対メラトニン10 mgの2つの異なる比較が実施されていた。本来の意図に反してアウトカムに関する情報が不十分なためメタアナリシスを実施できず、データを記述的に要約した。2件の研究は、ランダム化、二重盲検、クロスオーバー、プラセボ対照比較試験で、2件はランダム化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照比較試験であった。1件の研究のみが、ベースラインに比べた試験中の正確な発作回数を報告していた。発作患者のうち、試験中ベースラインに比べて発作頻度に変化のあった者はいなかった。有害事象の評価は1件の研究でのみシステマティックに実施されていた(有害事象は認められなかった)。1件の研究のみ生活の質をシステマティックに評価していたが、メラトニン追加群で生活の質において統計学的に有意である改善は示されなかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2012.10.31

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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