不安およびうつ病の治療に対するレイキ

レビューの論点:

本レビューでは、不安またはうつ病の患者に対するレイキの有益性を検討したランダム化比較試験で得られたエビデンスを要約する。

背景

レイキは薬物を使用しない治療法で、不安、うつ病、またはその両方を有する人に用いる。レイキは2500年の歴史を有する治療法で、バイブレーショナル・セラピーまたはサトル・エネルギー・セラピーとも呼ばれ、身体に軽く触れるか手をかざして効果を高める施術が最も多い。しかし、うつ病や不安の人に対するレイキの効果を評価したランダム化試験のシステマティックレビューは実施されていない。

試験の特性

3件の研究を本レビューに組み入れた。1件目の研究では生検で非転移性前立腺癌と診断され、化学療法を受けずに外照射放射線療法を受けた男性が対象であった。2件目の研究では、55歳以上の地域住民が対象であった。3件目の研究では、大学生が対象であった。これらの研究では不安およびうつ病のいずれかまたは両方を呈する人を対象としており、別々に結果を報告していた。このデータに含まれる不安患者は25名、うつ病患者は17名のみで、20名以上は不安とうつ病の区別が明記されていなかった。検索は2014年11月4日現在のものである。

主な結果

ランダム化試験に組み入れられた、不安およびうつ病のいずれかまたは両方を呈する人の数がきわめて少なかった。このため、不安およびうつ病の治療に対するレイキの有用性について述べるにはエビデンスが不十分である。

エビデンスの質

エビデンスの質は最大で中等度であり、エビデンスの不足に加えて、研究結果をさらに弱めている。

著者の結論: 

不安またはうつ病のいずれかまたは両方を有する16歳以上の名に対してレイキが有用であると述べるには、エビデンスが不十分である。

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背景: 

多くの人が不安およびうつ病に罹患する。治療による完治は望めず、多くの場合、長期間の服薬が必要となる。多くの人が有用な別の治療法を探している。そのひとつが2500年の歴史を持つ治療法のレイキであり、バイブレーショナル・セラピーまたはサトル・エネルギー・セラピーとも呼ばれ、身体に軽く触れるか手をかざして効果を高める施術が最も多い。レイキが不安やうつ病を軽減するという報告があるが、具体的なシステマティックレビューは実施されていない。

目的: 

16歳以上を対象に、不安およびうつ病の治療に対するレイキの有効性を評価すること。

検索戦略: 

Cochrane Register of Controlled Trials (CENTRAL—すべての年)、Cochrane Depression, Anxiety and Neurosis Review Group's Specialised Register (CCDANCTR—すべての年)、EMBASE (1974年〜2014年11月)、MEDLINE (1950年から2014年11月)、PsycINFO (1967年〜2014年11月)およびAMED (1985年〜2014年11月)を検索した。このほか、継続中の研究および未発表の研究を同定するため、World Health Organization Trials Portal (ICTRP)およびClinicalTrials.govを検索した。すべての検索は2014年11月4日現在のものである。

選択基準: 

不安またはうつ病のいずれかまたは両方を呈する成人を対象に、少なくとも1つの群で経験のあるレイキ施術者がレイキを施術したランダム化試験。

データ収集と分析: 

2名のレビュー著者がそれぞれ研究の選択/除外を決定し、データを抽出した。事前に解析計画を規定したが、データが僅少であったため、不要となった。

主な結果: 

3件の研究を本レビューに組み入れた。1件目の研究では、生検で非転移性前立腺癌と診断され、化学療法を受けずに外照射放射線療法を受けた男性が対象であった。2件目の研究では、55歳以上の地域住民が対象であった。3件目の研究では、大学生が対象であった。

これらの研究には、症状スコアで判定した不安およびうつ病のサブグループが含まれ、これらのサブグループに関するデータは別に提示されていた。このデータに含まれる不安患者は25名、うつ病患者は17名のみで、20名以上は不安とうつ病の区別が明記されていなかったため、結果は記述方式でのみ報告が可能であった。これらの研究では、対象集団に対してレイキが有益または有害であるエビデンスは示されていない。大多数のドメインについて対象研究のバイアスのリスクが概ね不明または高いと判定されたため、エビデンスの確実性が低下した。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.2.27]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
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