加齢黄斑変性の人における白内障手術

白内障および加齢黄斑変性(AMD)は、よくみられる視力低下の原因で、50歳超の人ではしばしば同時に起こる。白内障手術は白内障による失明に対する有効な治療であるが、主に白内障手術直後の眼に認められる血管新生性AMD(「滲出」型)が発症する不確実なイベントに基づき、手術により基礎にあるAMDの悪化リスクが上昇し、視覚に悪影響を及ぼすのではないかと考える臨床医もいる。文献のシステマティック・レビューにより、1件の完了RCTと結果発表待ちの1件の試験を同定した。完了試験のデータではAMDの人での白内障手術によりAMD悪化なく視覚が改善したと示唆されたが、現在、AMDの人で白内障手術が有益か有害かを確認するため得られたデータから確実な結論を出すことはできなかった。比較試験が実施されその所見が発表されるまで、医師は最良の臨床的な判断に基づいて診療を決定する必要がある。

著者の結論: 

現在、AMDの人での白内障手術が有益か有害かを確認するため得られたデータから確実な結論を出すことはできなかった。比較試験が実施されその所見が発表されるまで、医師は最良の臨床的な判断に基づいて診療を決定する必要がある。

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背景: 

白内障および加齢黄斑変性(AMD)は、よくみられる視力低下の原因で、50歳超の人ではしばしば同時に起こる。白内障手術は白内障による失明に対する有効な治療であるが、その介入により基礎にあるAMDの悪化リスクが上昇し、視覚に悪影響を及ぼす可能性があると考える臨床医もいる。

目的: 

本レビューの目的は、AMDのある眼球における白内障手術の有効性および安全性を評価することであった。

検索戦略: 

CENTRAL(Cochrane Eyes and Vision Group Trials Registerを含む)(コクラン・ライブラリ2012年第4号)、MEDLINE(1950年1月~2012年4月)、EMBASE(1980年1月~2012年4月)、Latin American and Caribbean Literature on Health Sciences (LILACS)(1982年1月~2012年4月)、metaRegister of Controlled Trials (mRCT)(www.controlled-trials.com)、ClinicalTrials.gov (www.clinicaltrials.gov)、WHO International Clinical Trials Registry Platform (ICTRP) (www.who.int/ictrp/search/en) を検索した。日付と言語の制限を試験の電子的検索において設けなかった。最新の電子的データベース検索日は2012年4月16日であった。

選択基準: 

白内障とAMDの両方に罹患している眼球で白内障手術を無手術と比較しているランダム化比較試験(RCT)および準ランダム化試験を選択した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが選択基準と除外基準に照らして検索結果を別々に評価した。2名のレビューアが別々にデータを抽出し、選択した研究のバイアスリスクを評価した。討議により不一致を解決した。

主な結果: 

重大な視覚障害のある白内障とAMDを有する60名の参加者の1件のRCTを本レビューに選択した。参加者は、即時白内障手術(組入れの2週間以内)(29名)または遅延白内障手術(組入れ後6ヵ月)(31名)のいずれかにランダムに割り付けられていた。6ヵ月時、各群2名の4名の参加者が追跡不能となった。6ヵ月時、遅延手術群に比べて即時手術群は最高矯正視力(BCVA)の平均的改善を示した[平均差(MD)0.15 LogMAR、95%信頼区間(CI)0.28~0.02]。群間で脈絡膜血管新生の発症に有意差はなかった(即時手術群1/27対遅延手術群0/29)。Impact of Vision Impairment(IVI)質問紙法の結果では、遅延手術群に比べて即時手術群の生活の質アウトカムの方が良好であったと示唆された(IVIロジットスコアでのMD 1.60、95%CI 0.61~2.59)。術後合併症の報告はなかった。AMD54名における即時対遅延白内障手術の関連性があると考えられる2番目の研究を同定した。研究結果はまだ入手していないが、本レビューの今後の更新で適格である可能性がある。

訳注: 

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