2型糖尿病に対するグルカゴン様ペプチドアナログ

著者の結論: 

GLP-1作用薬は血糖コントロールの改善に有効である。

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背景: 

グルカゴン様ペプチドアナログは、2型糖尿病の治療で使用される新規の薬剤クラスの一つで、内因性ホルモンであるグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)の類似体である。GLP-1は、摂取した栄養物に反応して循環中に放出される消化管ホルモンであるインクレチンの一つである。GLP-1は、糖依存性のインスリン分泌および生合成を刺激し、グルカゴン分泌を抑制して胃内容排出を遅延し満腹感を延長することにより糖値を制御している。

目的: 

2型糖尿病患者を対象にグルカゴン様ペプチドアナログの効果を評価すること。

検索方法: 

コクラン・ライブラリ(最新検索2011年第1号)、MEDLINE (最新検索2011年3月)、EMBASE(最新検索2011年3月)、Web of Science(最新検索2011年3月)、進行中試験のデータベースの電子的検索により研究を入手した。

選択基準: 

2型糖尿病患者を対象に、8週間以上の期間でGLP-1アナログをプラセボ、インスリン、経口抗糖尿病薬、別のGLP-1アナログと比較しているランダム化比較試験(RCT)を選択した。

データ収集と分析: 

1人目のレビューアが研究のデータ抽出と質評価を実施し、2人目のレビューアがそれをチェックした。GLP-1作用薬の種類ごと、比較した治療ごとにデータを解析した。適宜データをメタアナリシスで要約した(平均差およびリスク比はランダム効果モデルを使用して要約した)。

主な結果: 

関連性のある参加者6,899例を含む17件のRCTを本解析に選択した。研究の大半は短期間で通常26週間であった。 プラセボに比べ、すべてのGLP-1作用薬は、約1%糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)値を減少させた。エクセナチド2 mg週1回投与およびリラグルチド1.8 mgにより、インスリングラルギンよりHbA1cがそれぞれ0.20%および0.24%低下した。エクセナチド2 mg週1回投与は、エクセナチド10 μg1日2回投与、シタグリプチン、ピオグリタゾンに比べHbA1cを低下させた。リラグルチド1.8 mgは、エクセナチド10 μg1日2回投与に比べ0.33%HbA1cを低下させた。リラグルチドにより、スルホニルウレア薬と同程度のHbA1c改善がみられたが、HbA1c低下はシタグリプチンおよびロシグリタゾンに比べて大きかった。 エクセナチドとリラグルチドの両剤により、吐き気が発現しなかった参加者を含め、大抵の活性のある対照薬より大幅な体重減少がみられた。スルホニルウレア薬併用患者の方が低血糖の発現が多かった。GLP-1作用薬により吐き気を主とする消化管の有害事象が発現した。これらの有害事象は開始時に最も強くその後おさまった。ベータ細胞機能はGLP-1作用薬により改善したが、その効果は投与中止後は持続しなかった。 長期の正の効果あるいは負の効果を評価可能なほど長期間の研究はなかった。

訳注: 

監  訳: 曽根 正好,2012.2.7

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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