2型糖尿病に対するインスリングラルギンとインスリンデテミルとの比較

著者の結論: 

本解析では、高血糖を標的としたインスリンデテミルとインスリングラルギンの有効性および安全性について臨床的に関連性のある差はないことが示唆された。しかし、同一の血糖コントロールを得るために、インスリンデテミルはより高用量で1日2回注射されることが多く体重増加が少なかったのに対し、インスリングラルギンは1日1回注射で注射部位反応がやや少なかった。

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背景: 

血糖値の慢性的上昇は、罹病率と死亡率に有意に関連している。良好な血糖コントロールを維持するため、多数の糖尿病患者は最終的にはインスリン治療を必要とする。2型糖尿病に対する至適なインスリン治療レジメンについてはなお不明点があるが、長時間作用型インスリンアナログが有用であると考えられている。数件のレビューがインスリンデテミルまたはインスリングラルギンのいずれかとNPHインスリンとを比較しているが、この二つのインスリンアナログを直接比較している研究は限られている。

目的: 

2型糖尿病の治療におけるインスリンデテミルとインスリングラルギンの効果を両者で比較して評価すること。

検索戦略: 

MEDLINE、EMBASE、コクラン・ライブラリ、進行中の試験のオンライン登録、および抄録書籍を検索した。最新検索日は2011年1月であった。

選択基準: 

12週以上の期間でインスリンデテミルとインスリングラルギンとを比較しているすべてのランダム化比較試験(RCT)を対象とした。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に研究を選択しデータを抽出した。ランダム効果メタアナリシスによる研究の統合を実施した。

主な結果: 

本レビューでは、インスリンデテミルまたはインスリングラルギンのいずれかにランダムに割り付けた、2,250例を対象とした24週から52週の試験4件について検討した。全体として、評価した研究のバイアスリスクは高かった。インスリングラルギンは1日1回夕に投与された。3件の研究ではインスリングラルギンは1日1回夕で開始し選択肢として朝の追加投与を有しており、1件の研究では1日2回投与で開始していた。ランダム化された患者のうち、13.6~57.2%が、試験終了時に1日2回インスリンデテミルの注射を受けていた。糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)により測定した血糖コントロールならびに低血糖の有無を問わない7%以下のHbA1cに、群間で統計学的有意差を認めなかった。結果は、総低血糖、夜間低血糖および重度低血糖に群間で有意差を認めなかった。インスリンデテミルの方が体重増加の程度が低かった。インスリングラルギンによる治療の方がインスリン1日基礎量が低く注射部位反応数が少なかった。治療群間で、空腹時血糖値(FPG)または24時間プロファイルの血糖値の変動に有意差はなかった。生活の質、費用および死亡率について結論を出すことは不可能であった。健康関連の生活の質について報告した試験は1件のみで、治療群間に有意差はなかった。

訳注: 

監  訳: 曽根 正好,2011.11.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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