分娩第3期のルーチン管理に対する臍帯静脈注射

著者の結論: 

臍帯静脈注射による、生理食塩水とオキシトシンまたは他の子宮収縮薬とのルーチンの使用は、新規のエビデンスが示されるまで推奨されない。臍帯静脈注射による生理食塩水とオキシトシンの併用の有効性を示すために、さらなる研究を実施すべきである。

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背景: 

分娩後出血は、世界的に母体死亡に関連する最大の原因である。本病態の防止には、分娩第3期における子宮収縮薬のルーチンの使用等が挙げられており、これは世界中で推奨されている。出産後の本子宮収縮薬の投与経路として臍帯の使用が提案されている。臍帯経路のルーチン(予防的な)使用は確立していないが、その治療的使用についての評価が実施されている。

目的: 

最善の入手可能なエビデンスから、分娩第3期のルーチン管理について、他の子宮収縮薬併用の有無を問わない代替溶液、待機的管理、あるいは他の方法と比較して、生理食塩水単独、または何らかの子宮収縮薬併用生食液の臍帯静脈注射が、母体アウトカムおよび周産期アウトカムに及ぼす効果を検討すること。

検索戦略: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2012年1月31日)および抽出した研究の文献リストを検索した。

選択基準: 

生食液単独または何らかの子宮収縮薬併用生食液の臍帯静脈注射の効果を、他の代替法と比較しているすべてのランダム化比較試験(RCT)を選択した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に適格性および試験の質を評価した。2名のレビューアがデータを抽出した。データの正確性についてチェックした。

主な結果: 

1,118名の女性を対象にした9件の研究を選択した。 4種類の比較を同定した。1つの比較は6件の研究(女性394例をランダム化)で実施され、生理食塩水+オキシトシンの臍帯静脈注射を生理食塩水臍帯静脈注射と比較しており、また他の3つの比較はそれぞれ1件の研究で実施されていた。生理食塩水+オキシトシンの臍帯内注射を生理食塩水単独の臍帯内注射と比較したところ、輸血を要した女性の数、胎盤用手剥離の罹患率、失血量、分娩第3期の長さなど、報告された関連性のあるアウトカムのいずれにおいても差を示すエビデンスはなかった。投与溶液総量とオキシトシン用量によるどちらのサブグループ解析でも、差を示すエビデンスはなかった。他の比較については、それぞれ1件の研究しか含まれず、利用可能な関連性のある情報はなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2012.7.24

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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