2型糖尿病予防のための全粉食品

著者の結論: 

前向きコホート試験のみからのエビデンスは、T2DM発症に対する全粉食品の予防効果に決定的な結論を導き出すには弱すぎると考えられる。適正にデザインされた長期にわたるランダム化比較試験が必要である。このことを促すために、さらなるメカニズム論的研究では、T2DMに対して関連性のある一連の中間エンドポイントを見出し、食事介入に最も影響を受けやすいリスク集団の遺伝的サブグループを同定することに焦点を当てるべきである。

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背景: 

食事は生活習慣の1要因として、2型糖尿病(T2DM)の発症に修正可能な危険因子のひとつであると考えられている。食事のどの成分がこの疾患を予防できるかについての情報が必要とされている。

目的: 

T2DMに対する全粉食品の予防効果を評価する。

検索方法: 

CENTRAL、MEDLINE、EMBASE、CINAHLおよびAMEDを検索した。

選択基準: 

全粉食品または穀物繊維の摂取とT2DM罹患率との関連性を評価した最低5年間のコホート研究を選択した。T2DMおよびその主要危険因子に対する全粉食品に富んだ食事と精製穀物食品に富んだ食事のそれぞれの効果を比較評価した6週間以上にわたるランダム化比較試験を選択した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に研究を選択し、研究の質を評価し、データを抽出した。方法論にバラツキがあるため、研究データはプールしなかった。

主な結果: 

1件のランダム化比較試験および11件の前向きコホート研究を同定した。方法論の質が低かったランダム化比較試験では、高インスリン血症のある肥満参加者12例を対象として6週間介入させた後のインスリン感受性の変化を報告していた。全粉食品を摂取した結果、インスリン感受性がわずかに改善し、有害作用はなかった。患者の満足度、健康関連の生活の質、総死亡率、有病率の記載はなかった。11件のコホート研究のうち4件で穀物繊維の摂取量が測定されており、3件の研究では全粉食品の摂取量、2件の研究では両方が測定されていた。2件の研究では全粉食品摂取量の変化が測定されており、うち1件は穀物繊維摂取量の変化も測定されていた。9件の研究でT2DM罹患率、2件の研究で体重増加の変化が評価されていた。前向き研究では一貫して、全粉食品(27%~30%)または穀物繊維(28%~37%)の大量摂取はT2DMの発症リスクを軽減させることを示していた。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2008.4.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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