分娩後の女性へのビタミンA補充

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著者の結論: 

1件の小規模研究において乳児の罹病率がいくらか改善したことを除いて、母子の死亡率や罹患率に影響はなかったこと、および母体のビタミンAの状態が改善したことから、母体への分娩後ビタミンA補充は限定的な利益を提供することが示唆される。

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背景: 

ビタミンAが欠乏している集団において、ビタミンAの量は母体の健康維持に不十分であると思われ、母乳中の濃度は母乳哺育の乳児には不十分であると思われる。

目的: 

分娩後の母体へのビタミンA補充が、母子の健康に及ぼす影響を評価する。

検索戦略: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2010年7月31日)、LILACS(1982年から2010年7月まで)、Web of Science(1945年から2010年7月)、Biological Abstracts(1998年から2010年7月まで)を検索した。

選択基準: 

分娩後の母体へのビタミンA補充の影響を評価しているランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自に研究を評価した。

主な結果: 

25,465例の母子ペアを登録し、いくつかの用量のビタミンA(20万~40万IU)または1日7.8 mgβ-カロチンとプラセボ、鉄、または補充なしの比較、あるいは高用量(40万IU)と低用量(20万IU)を比較している、バイアスのリスクが中等度の試験12件を選択した。すべての研究において乳児の大部分は6カ月間は少なくとも部分的に母乳で育てられた。母親:ビタミンAが母体死亡率(9,126例の女性を対象とした2件の試験)、罹病率(50例の女性を対象とした1件の試験)、有害作用(1件の試験の786例の女性から成るサブセット)に影響を与えることは観察されなかった。ビタミンAは5件の試験において、3カ月後の血清中および母乳中のレチノール濃度を高めたが、これらの改善は概して持続しなかった。乳児:1件の小規模試験において、ビタミンAで発熱エピソードがより少なかったのを除いて、乳児死亡率RR 1.14、95%CI 0.84~1.57、5件の試験(6,170例の乳児)や罹病率(3件の試験)に有意差は認められなかった。母体へのビタミンA補充により乳児のビタミンAの状態に有意差はみられなかった(5件の試験)。2件の試験において低用量のビタミンA補充と高用量のビタミンA補充を比較して、母体または乳児の健康に有益な効果は認められなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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