不要な帝王切開を低減するための非臨床的な介入

著者の結論: 

セカンドオピニオンを必須とするガイドラインの実施により、主に分娩期に帝王切開率がわずかに低下する可能性がある。帝王切開前の相談、セカンドオピニオンの義務付け、および帝王切開後の調査(サーベイランス)は、反復帝王切開率の低減につながる可能性がある。地域のオピニオン・リーダーの支持および支援によりガイドラインを広めることにより、確実な状況で試験分娩を勧められた帝王切開歴のある女性の割合を増加させる可能性がある。看護師主導のリラクゼーションクラスや出産準備クラスは、低リスクの妊娠における帝王切開率を低減する可能性がある。

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背景: 

帝王切開率は世界的に着実に上昇している。この観測された上昇に寄与する要因は複雑である。臨床の場での患者のケアとは独立して行われる非臨床的な介入は、不要な帝王切開の低減に役割を果たす可能性がある。

目的: 

不要な帝王切開を低減する非臨床的な介入の有効性および安全性を評価すること。

検索方法: 

次の電子データベースを検索した:Cochrane Effective Practice and Organisation of Care(EPOC)Group Specialised Register(2010年3月29日)、Cochrane Pregnancy and Childbirth Group Specialised Register(2010年3月29日)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(コクラン・ライブラリ2010年、Issue 2)、MEDLINE(1950年~2010年3月)、EMBASE(1947年~2010年3月)、およびCINAHL(1982年~2010年3月)。

選択基準: 

ランダム化比較試験(RCT)、準実験的研究、比較臨床試験(CCT)、少なくとも2つの介入およびコントロール群を含む前後比較試験(CBA)、および介入時間が明確に定義され、介入前後の少なくとも3時点でのデータがある断続的時系列(ITS)分析を選択した。不要な帝王切開率を低減するための非臨床的な介入を評価した研究とした。参加者は、妊婦およびその家族、並びに妊婦、地域、および擁護団体と協働する医療従事者とした。

データ収集と分析: 

3名のレビューアが別々に、コクランEPOCチェックリストを改訂した標準化されたデータ抽出票を使用し、適合する全研究のデータの質を評価し、要約した。その後追加された情報については、研究著者に問い合わせた。

主な結果: 

本レビューでは、16件の研究を対象とした。6例の研究が特に妊婦を対象としていた。2件のRCTでは、出産や出産準備期間に対する恐怖や不安を持つ女性のための看護師主導のリラクゼーション訓練プログラムが、帝王切開率の低減に有効であることが示された。しかしながら、両RCTは小規模で初めて妊娠した若い母親が対象であった。出生前教育および支援プログラム、コンピュータによる患者意思決定支援、意思決定支援小冊子、並びに集中グループ治療が有効であることを示すエビデンスは不十分である。10件の研究は、医療従事者を対象としていた。そのうちの3件の研究が、帝王切開率の低減に有効であった。セカンドオピニオンを必須とするガイドラインを実施したクラスターRCTでは、総帝王切開率について、わずかながら統計学的に有意な低下が認められた[調整リスク差(RD)-1.9、95%信頼区間(CI)-3.8~-0.1]。この低下は、主に分娩期に認められた。セカンドオピニオンを必須とし、部門会議でのピア・レビューによるフィードバックを実施した1件のITS研究では、48カ月の時点で反復帝王切開率について統計学的に有意な結果(水準の変化は-6.4%、95%CI -9.7%~-3.1%および傾きの変化は-1.14%、95%CI -1.9%~-0.3%)が認められたが、総帝王切開率については認められなかった。地域のオピニオン・リーダーの支援によりガイドラインを実施したクラスターRCTでは、帝王切開歴があり試験分娩を勧められた女性の割合(絶対差16.8%)および経腟分娩した女性の数(VBAC比)(絶対差13.5%)が上昇した。しかしながら、P値は解析単位の誤りにより報告されていなかった。審査、フィードバック、保健師の訓練、保険制度改革、外部のピア・レビュー、および法改正が有効であるということを示すエビデンスは、不十分であった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.11.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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