高リスク群の非黒色腫皮膚癌を予防するための介入

著者の結論: 

いくつかの予防的治療は、NMSCの発現リスクが高い人に利益をもたらすようであるが、確固たる結論を導き出すには試験の数が少なく、多くはひとつの介入あたり1件の試験しかないか、または研究間で結果が一致していないために限界がある。

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背景: 

ある種のグループなかに一般的な非黒色腫皮膚癌(NMSC)の発現リスクが高い人がいる。

目的: 

NMSC発現リスクが高い人を対象にNMSCを予防するための介入を評価する。

検索戦略: 

Cochrane Skin Group Specialised Register(2007年3月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(コクラン・ライブラリ2007年第1号)、MEDLINE(2003年~2007年3月)、EMBASE(2005年~2007年3月)、metaRegister of Controlled Trials(2007年2月)を検索した。試験の参考文献およびレビューも検索した。未発表の試験について製薬企業に問い合わせた。

選択基準: 

NMSC発生リスクの高い成人と小児を対象としたランダム化比較試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に研究を選択し、方法論の質を評価した。

主な結果: 

様々な介入を評価した10件の試験(参加者7,229例)を同定した。1件の試験は、T4N5リポソームローションが色素性乾皮症のある人の新たな基底細胞の発現率を有意に低下させることを見出した。移植腎受容者に関する試験3件のうち1件から、アシトレチンはプラセボと比較して、新規NMSCリスクが有意に減少することが示されており(相対リスク(RR)0.22、95%信頼区間(CI)0.06~0.90)、残り2件の試験では有害事象リスクに有意差はなかった(RR1.80、95%CI 0.70~4.61)。NMSCの既往のある人を対象に実施された3件の試験では、レチノールまたはイソレチノインについて、基底細胞癌の発現に関して決定的なエビデンスはなかった。しかし、1件の試験で新規SCCリスク(HR1.79、95%CI 1.16~2.76)および別の1件の試験で有害事象(RR1.76、95%CI 1.57~1.97)は、プラセボ群と比較してイソトレチノイン群で有意に増加していた。1件の試験から、セレンはプラセボと比較してその他の型の癌リスクが低下していたが(RR0.65、95%CI 0.50~0.85)、新規NMSCリスクは有意に上昇していた(HR1.17、95%CI 1.02~1.34)。ベータカロテンに関する1件の試験からのエビデンスは決定的なものではなかった。低脂肪食に関する1件の試験で、新規NMSCが少ない傾向がみられた(RR0.16、95%CI 0.02~1.31)、p=0.09。

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