原因不明の皮膚発疹であるバラ色粃糠疹への介入

バラ色粃糠疹は、主に若年成人に発症する鱗状の発疹である。バラ色粃糠疹は比較的一般に認められる疾患であり、社会全体で毎年10万人のうち約170名が罹患する。最初の兆候である鱗状の斑点は通常、体幹部に発現する。その後、全身性の発疹が持続し、病変はすべて2〜12週間以内に消失する。バラ色粃糠疹患者の約50%で中等度から重度のそう痒が認められるため、このレビューは重要である。錠剤、クリーム、および紫外線照射など現在の治療法の有用性、またその有用性が有害作用のリスクを上回るかどうか解明されていない。

148例の参加者を対象とした3件のランダム化比較試験を確認した。1件の小規模試験は甘草と麻酔薬の静脈注射を比較した質の低い試験であり(23例)、また1件の標準的な質の試験ではステロイド経口投与剤と抗ヒスタミン剤と比較しており(85例)、また1件の良好な質の試験では抗菌薬とプラセボ錠を比較している(40例)。

質の低い試験では、症状または発疹の消失を目的として投与した甘草と麻酔薬の間に有意差は認められなかった。標準的な質の試験では、抗ヒスタミン薬とステロイドではそう痒の解消度に有意差がないことが確認された。ただし、抗ヒスタミン剤およびステロイドは、併用よりも単独投与時のほうが発疹の治癒能が優れていることが判明した。質の良い小規模試験では、抗菌薬エリスロマイシン経口投与は発疹の改善およびそう痒の強度を減少させる上でプラセボより優れていることが判明した。

いずれの介入でも重症な有害作用は報告されていない。エリスロマイシン経口投与参加者17例中2例とプラセボ剤経口投与参加者17例のうち1例で軽度の胃腸障害が報告された。

ほとんどの治療法では有効性のエビデンスが不十分であるが、エリスロマイシンの経口投与は発疹の治療とそう痒の緩和に有効な可能性があると結論づける。

今回のレビューでは、対象となった試験数が少なく、参加者数が少ないこと、2件の研究の方法が不適切であること、またエリスロマイシンの経口投与に関して臨床的有用性を報告した研究は小規模研究1件のみであったことが欠点となっている。

著者の結論: 

バラ色粃糠疹の治療法の多くは、有効性に関するエビデンスが不十分であることが判明した。また経口投与によるエリスロマイシンは、発疹の治療、およびそう痒の軽減に有効な可能性がある。ただし、対象となった小規模なランダム化比較試験が1件のみであることから、この結果は慎重に扱う必要がある。エリスロマイシンおよび他の治療法の有効性を評価するためには、更に多く研究を実施する必要がある。

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背景: 

バラ色粃糠疹は、主に若年成人で発症する鱗状の発疹である。この発疹は強い痒みを伴うことがあり、ほとんどは2〜12週間で回復がみられる。

目的: 

バラ色粃糠疹の介入効果について評価する。

検索方法: 

今回のレビューでは、Cochrane Skin Group Specialised Register(2004年12月)、The Cochrane Library(2004年第4号)のCochrane Central Register of Controlled Clinical Trial、MEDLINE(1966年~2005年1月)、EMBASE(1976年~2005年1月)、LILACS(1982年~2005年1月)、BIOSIS Preview(1980年~2002年6月)、および継続中の試験に関するデータベースを検索した。また、公開された研究の参考文献、皮膚科学会の議論からの抄録を検索、試験実施者と連絡し、また製薬企業に問い合わせを行った。

選択基準: 

バラ色粃糠疹の介入について評価するランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2名のレビュー著者がそれぞれ試験の質を評価し、データを抽出した。欠損しているデータを得るために研究を実施した著者に問い合わせを行った。

主な結果: 

148例を対象とした3件の試験を選択した。1件の試験(23例)は質が低く、グリチルリチン静脈注射とプロカイン静脈注射を比較した試験であった。症状と発疹を治療する2種類の介入では有意差は認められなかった。

1件標準的な質の試験(85例)で、経口抗ヒスタミン薬であるデキシクロルフェニラミン(4mg)、経口ステロイドであるベタメタゾン(500mcg)、またベタメタゾン(250mcg)とデキシクロルフェニラミン(2mg)の併用投与を比較した試験である。この試験では、デキシクロルフェニラミンとベタメタゾン、またデキシクロルフェニラミンとベタメタゾンの併用について、参加者が評価した2週時点での痒みの解消度に有意差は認められなかった。しかし、デキシクロルフェニラミンとベタメタゾンの単独投与ではいずれも、デキシクロルフェニラミンとベタメタゾンの併用と比較し、発疹の治癒に優れていると考えられる。これらの介入についてはプラセボとの比較は行っていない。

経口エリスロマイシンとプラセボを比較した良質な小規模試験(40例)では、投与2週間後、試験実施者により評価されたように、発疹改善に関してエリスロマイシンがプラセボより有効であることが認められた(RR:13.00、95%CI:1.91〜88.64)。また、痒みスコアの減少においても効果的であった(3.95ポイントの差、95%CI 3.37〜4.53)。介入について重大な有害作用は報告されていない。経口エリスロマイシン参加者17例中2例、またプラセボ参加者17例のうち1例で軽度の胃腸の不調が報告された。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.2.26]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 
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