乳癌に対する補助療法を受けている女性のための運動

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著者の結論: 

乳癌の補助療法中の運動は支援的自己ケア介入とみなすことができ、その結果、身体の健康が改善することから、日常生活活動をいとなむ能力が改善する。治療中に運動をしなければこのような能力は低下すると思われる。疲労の改善はあいまいで、他の治療に関連した副作用に対して運動による改善のエビデンスは欠如している。運動介入(座っていて運動しない参加者に対して)は、行動の変化を必要とするので、行動変化のための戦略がこのような介入を支持するはずである。さらに、長期的な副作用も考えられるため長期的な評価が必要である。

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背景: 

癌の補助療法に関する膨大な臨床研究のデータベースによって、乳癌の再発率や死亡率などのアウトカムの改善が確認されている。その一方で、ホルモン療法、化学療法および放射線療法などによる補助療法では短期的・長期的な副作用が生活の質に影響する。

目的: 

乳癌の補助療法中の有酸素運動やレジスタンス・エクササイズによる介入が、身体的悪化、疲労、心理・社会的困難および生理的、形態的、生物学的変化などの治療に関連した副作用に及ぼす効果を評価する。

検索方法: 

Cochrane Breast Cancer Specialised Register(2004年7月16日)と、電子データベースのMEDL1NE(1966年~2006年)、EMBASE(1988年~2004年)、CINAFIL(1982年~2004年)、SPORTDiscus(1975年~2004年)、PsycINFO(1872年~2003年)、SIGLE(1880年~2004年)、ProQuest Digital Dissertations(1861年~2004年)およびConference Papers Index(1973年~2004年)を検索した。さらに、関連のレビューと臨床試験の参考文献をスクリーニングし、関連の雑誌をハンドサーチした。

選択基準: 

乳癌に対する補助療法を受けている女性において有酸素運動または抵抗運動、またはその両者を検討したランダム化比較試験と非ランダム化比較試験を本レビューに含めた。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々にデータを抽出し、標準化基準に従い方法論的質とトレーニング刺激の妥当性を評価した。身体的健康、疲労および体重増加に関しては、ランダム効果モデルを用いたメタアナリシスを実施した。

主な結果: 

女性452人が参加した9件の試験が、本レビューへの選択基準を満たした。心肺適応能のメタアナリシス(参加者207例)により、運動が心肺適応能を改善することが示唆された(SMD 0.66、95%CI 0.20~1.12)。疲労のメタアナリシス(参加者317例)により、運動介入群の参加者の改善は対照群の参加者(運動しない)と比べて統計的に有意でないことがわかった(SMD -0.12、95%CI -0.37~0.13)。同じことが体重増加のメタアナリシス(参加者147例)にも当てはまった(SMD -1.11、95%CI -2.44~0.22)。その他のアウトカムのエビデンスには依然として限界がある。2件の試験で有害作用(リンパ水腫と肩の腱炎)が観察された。非ランダム化比較試験の結果はランダム化比較試験の結果と同様で、バイアスをもたらしているとは考えられない。本レビューは、癌の補助療法と運動介入に関して臨床的異質性の大きい少数の試験に基づいている。

訳注: 

監  訳: 2006.12.27

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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