不安障害に対する瞑想療法

瞑想療法は多くの不安に関連する症状に幅広く用いられている一方、不安障害の患者に対する臨床試験は未だ十分ではない。本レビューに組み入れた少数の試験では、不安障害に対する瞑想の効果について結論を引き出すことはできなかった。超越瞑想は不安の軽減に関して他のリラクゼーション法と同等であり、クンダリーニ・ヨガは強迫性障害の治療として、リラクゼーション/瞑想に比べて有意な効果を示さなかった。試験の脱落率は高かったが、瞑想の有害な作用は報告されていない。さらに多くの試験が必要である。

著者の結論: 

本レビューに組み入れた少数の試験では、不安障害に対する瞑想の効果について結論を引き出すことはできなかった。超越瞑想は不安の軽減に関して他のリラクゼーション法と同等であり、クンダリーニ・ヨガは強迫性障害の治療として、リラクゼーション/瞑想に比べて有意な効果を示さなかった。試験の脱落率は高かったが、瞑想の有害な作用は報告されていない。さらに多くの試験が必要である。

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背景: 

不安障害は長期にわたる不安、緊張、神経質、そわそわ感および自律神経系の機能亢進を示す症状が特徴である。瞑想は古くからある自己制御法であり、心の健康や精神医学の分野でますます関心を集めている。瞑想によって覚醒状態を抑えることができるため、さまざまな不安症の不安症状を改善できる可能性がある。

目的: 

不安障害の治療における瞑想治療の効果を明らかにすること

検索方法: 

CCDANCTR-Studies and CCDANCTR-References、補完代替医療に特化したデータベース、Science Citation Index、Health Services/Technology Assessment Text database、灰色文献データベースなどの電子データベースを検索した。学会抄録集、書籍の各章および参考文献を確認した。試験著者や宗教団体の専門家にも連絡を取った。

選択基準: 

研究の種類:ランダム化比較試験対象参加者:不安障害と診断された患者(他の精神疾患の合併の有無は問わない)介入の種類:集中的瞑想またはマインドフルネス瞑想比較対照:1)薬物療法、2)他の精神治療、3)他の瞑想法、4)非介入または治療順番待ちの4つのうち、いずれか単独または併用アウトカムの種類:1)臨床不安尺度の改善、2)試験実施者が明記した不安の程度の改善または全般的な改善、3)治療、有害な作用(adverse effect)の受け入れ、4)脱落率

データ収集と分析: 

2名のレビュー著者がそれぞれ事前に用意したデータ収集様式を用いてデータを抽出した。意見の不一致があれば3人目のレビュー著者と話し合い、追加情報を得るために試験著者に連絡を取った。

主な結果: 

本レビューの選択基準に合致したのは2件のランダム化比較試験であった。両試験とも質は中等度であり、実治療(別の種類の瞑想法、リラクゼーション、バイオフィードバック)を比較対照としていた。標準治療として抗不安薬が用いられていた。試験期間は3カ月(12週間)から18週間であった。1件の試験では、超越瞑想によって不安症状が軽減し、筋電図検査スコアは筋電図バイオフィードバック法およびリラクゼーション法と同等であった。もう1件はクンダリーニ・ヨガ(KY)とリラクゼーション/マインドフルネス瞑想を比較していた。エール・ブラウン強迫観念・強迫行為尺度(Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale)では、統計的に有意な群間差は認められなかった。両試験とも全体的に脱落率は高かった(33~44%)。いずれの試験にも瞑想による有害な作用の報告はなかった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.1.20]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
CD004998 Pub2

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