非医学的理由による満期帝王切開

著者の結論: 

医学的適応のない満期の予定帝王切開に関する診療勧告のベースとなる、ランダム化比較試験(RCT)によるエビデンスはない。試験データがないことから、帝王切開と経腟分娩の短期的および長期的影響をさらに評価するため、観察研究のシステマティック・レビューと、質的データの統合を緊急に実施する必要がある。

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背景: 

世界の多くで帝王切開率が次第に上昇しつつある。示唆されている理由の一つは、前置胎盤、HIV感染、狭骨盤、あるいは議論のあるところだが骨盤位や帝王切開歴などの明らかな医学的適応のない帝王切開の依頼が女性から増加していることである。予定帝王切開で報告のある利点として、児の安全性の向上、母体の骨盤底外傷の減少、分娩陣痛の回避および利便性などが挙げられる。観察研究によって示された可能性のある不利益としては、母体の主要罹病率と死亡率リスクの上昇、また有害な精神的後遺症リスクの上昇、瘢痕子宮破裂や死産と新生児罹病率リスク上昇などのその後の妊娠における問題が挙げられる。経腟分娩および帝王切開後の新生児の生理機能における相違により、帝王切開の児では短期と長期の両方において健康に悪影響を及ぼすリスクが増加する可能性があると考えられている。利益と不利益をバイアスなく評価することにより、現在の産科において何が争点であるかという議論に役立つと思われる。

目的: 

ランダム化試験により、帝王切開の明らかな臨床的適応のない女性を対象に、予定帝王切開が周産期と母体の罹病率と死亡率、ならびに母体の精神的罹病率に及ぼす影響を経腟分娩が予定されている場合と比較して評価すること。

検索戦略: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2012年1月31日)および関連性のある研究の文献リストを検索した。

選択基準: 

帝王切開の計画的実施と経腟分娩との比較すべて;治療群とコントロール群へのランダム割り付け;適切な割りつけの隠蔽化(コンシールメント);頭位単胎妊娠で明らかに医学的帝王切開の適応のない正期産女性。

データ収集と分析: 

選択基準を満たす研究を同定できなかった。

主な結果: 

選択した試験はなかった。

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