ビタミンB12欠乏症に対するビタミンB12の経口投与と筋肉内投与の比較

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ビタミンB12欠乏症は貧血や神経学的合併症を引き起こすことがある。ほとんどの国では、経口投与のビタミンB12が処方されることはめったにない。本レビューでは2件のランダム化比較研究を選択した。試験では計108例の参加者を募集し、このうち93例を90日~4カ月間追跡調査した。これらの限定的な研究のエビデンスでは、高用量のビタミンB12(1000 mcgおよび2000 mcg)の経口投与では、血液学的・神経学的反応に筋肉内投与と同等の有効性がある可能性を示唆している。

著者の結論: 

これらの限定的な研究のエビデンスでは、ビタミンB12欠乏症患者に対する1日2000mcgのビタミンB12の経口投与と、初期は毎日1000mcgでその後週1回、月1回にしていく経口投与では、血液学的・神経学的反応において筋肉内投与と同等の有効性が短期間で得られる可能性を示唆している。

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背景: 

ビタミンB12欠乏症は加齢に伴ってよくみられる。ビタミンB12欠乏症がある人の大半は、ビタミンB12の筋肉内投与によるプライマリ・ケアを受けており、医療従事者の仕事の多くを占めている。複数の症例対照研究や症例集積研究では、経口投与のビタミンB12は同等の有効性であることを報告しているが、スウェーデンとカナダ以外では経口投与はめったに行われていない。医師はビタミンB12の経口投与という選択肢を認識していない、もしくは有効性に懐疑的であるため経口製剤を処方しないと考えられる。

目的: 

ビタミンB12欠乏症に対するビタミンB12の経口投与と筋肉内投与の有効性を比較すること。

検索方法: 

コクラン・ライブラリ、MEDLINE、EMBASE、およびLilacsを検索した。同定した関連性のあるすべての論文の文献リストを検索した。さらに、同定した関連性のある研究やビタミンB12の研究の著者、および製薬会社に、他の発表済みまたは未発表の研究、継続中の試験について問い合わせた。

選択基準: 

ビタミンB12欠乏症の治療におけるビタミンB12の経口投与または筋肉内投与を調べたランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

電子検索で同定したすべての妙録や標題を、2名のレビューアがそれぞれ精査した。レビューアの間で相違があった場合は、論文のハードコピーを入手して調査し、合意に達した。選択したすべての論文のコピーを入手し、試験的にデータ抽出フォームを使用して、これらの研究から2名の研究者がそれぞれデータを抽出した。すべてについて選択基準や除外基準に当てはまるのかを調べ、相違を解消して合意に達した。選択した研究の方法論的な質を2名の研究者がそれぞれ評価し、全体についての相違を解消し合意に達した。

主な結果: 

ビタミンB12の経口投与と筋肉内投与を比較した2件のRCTが選択基準を満たした。試験では計108例の参加者を募集し、このうち93例を90日~4カ月間追跡調査した。高用量のビタミンB12(1000mcgおよび2000mcg)の経口投与では、血液学的・神経学的反応に筋肉内投与と同等の有効性がみられた。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.2.25]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
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